野分

Nec_0178 源氏物語の「野分」は台風前後の話である。時の権力者となった光源氏の邸の台風見舞いにうかがった柏木は、折からの強風で巻き上げられた御簾の向こうに、美しい女三宮の姿を見てしまう。女三宮は形式上とはいえ光源氏の妻の一人。絶対に懸想してはいけない相手にもかかわらず、そこがつける薬がない恋の道、とうとう思いを遂げた柏木。案の定その一夜で女三宮は子を身篭り、光源氏の知るところとなる。激怒する光源氏だが、実は光源氏とて若かりし頃、義母に懸想してあまつさえ子を産ませ、その子が今上帝となっているのである。人のことを怒れた義理ではないのであるが・・・。怒りのおさえようもなく、柏木にありとあらゆる精神的プレッシャーをかけて死なせてしまう。残された女三宮は柏木の子を産み、光源氏はその子を我が子として抱く。「あのとき父上はどんなお気持ちだったのだろうか?・・・」と思いながら。

源氏物語はそりゃもう果てしなくエロティックな話である。「うおおっ、すごい!」ありとあらゆる性愛と背徳を描きながら、とてつもなく美しい。

高校時代に古文で習った源氏。あれ何?なんで日本が誇る大河ロマンをあんなずたずたに切り刻んで、しかも一番おもしろくないというかイントロというかそういうところだけピックアップしてるの?その上恋愛のセンスも美意識のかけらもない、「文法命」な古文教師だったもんだから、「これはお経か?」と拷問のようにつまらなかった。「高校生にエロスはいらん。」ということ?光源氏は12歳で年上の女と結婚してるんだよ。

大学時代の友達に薦められて読み返し、「だまされた―――!こげなおもしとか本じゃったかあああ!」と叫んだ。

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