鋼の錬金術師15巻

Nec_0004_23  太平洋戦争が日本の敗戦で終わった1945年、今の70歳は9歳かそこらだったわけであります。十分物心がついておりますので戦争について断片的にでも覚えてらっしゃいます。80歳、90歳ともなると青年期~壮年期、人生の盛りに戦争。

介護の仕事をしていたので、それはそれは多くのその世代の方たちと話す機会がありましたが、太平洋戦争を肯定的に語る方についぞお会いしたことがありません。南方戦線で、満州で、太平洋で、シベリアで、沖縄で、本土で、殺されたり、殺したり文字通りの極限状況を生き延びてきた方たち。その言葉は重い。現実の体験からくる真実だから。

ネット右翼とかファッション右翼とか、国際情勢や日本の現実と遊離した過激な戦争待望論を展開してみせる連中のセンスがまったくわかりません。まわりに70歳以上の人間はおらんのか?こんだけ高齢化社会となっておるのに。

もっともごくわずかですが満州国や太平洋戦争でおいしい思いをして、占領軍にもうまく立ち回った先代や先先代を持つ家というのもございますれば(こういうのがホントの売国奴でしょ)。そういう家のジジイは「戦争はいいぞ~」と教育するのでしょうね。誰とは言いませんがそういう家の二代目や三代目のおぼっちゃまくん。お話になりませぬわ。

というところで「鋼の錬金術師15巻」(荒川弘著・スクエアエニックス)です。

「こうきたか~!・・・・・・・」

と思わず唸る、重い重い内容です。なにせ全編「イシュヴァールの殲滅戦」だもん。息もできないほど重い。

マスタング大佐やホークアイ中尉がこんな過去を背負っているのなら、これは生涯かけてこの傷を乗り越えていく以外に生きる道はないわなあ・・・・・

「元気で勇気があって情が深い少年たちの冒険物語」だった当初からかなり遠いところへきてしまいました。とはいえこの巻はどうしても必要な巻でしたね。これが語られないと物語は先に進まない。歴史ってのはそんなもんだよな。

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