これずっと読みたかった本なんですよ!実は半年前から市立図書館に予約を入れてたんですが、待てど暮らせど順番がまわってこない人気ぶりに豪を煮やしておりました。したらばなんと文庫が古本屋に出ておりましてな。「してやったり!」と早速購入。
期待を裏切らぬおもしろさ。無我夢中で読みましたですよ!
著者・海堂尊氏は現役勤務医、大学病院の内実がそれはそれはリアルに事細かく描かれています。もちろんそれはおもしろさの重要なバックグラウンドなんですが。でもなによりかにより、登場人物です。出てくる人出てくる人、それはそれはもう立ちまくりのキャラばっかり。大学病院て、どこの大学病院もこんな強烈な医者や看護師ばっかりいるんでしょうか?わたくし今まで大学病院も普通の病院も入院したこと無いもんでわからないんですけど。なんか凄いですよ。
主人公にしてワトスン役の「愚痴外来」担当の万年講師、田口公平。本人はどうやら自分を常識的な平和主義者みたく思っているらしいですが、なかなかどうして大学病院みたいな魑魅魍魎跋扈する魔窟で、あくまでマイペースを貫き通し「出世に興味なし」のスタンスを取りながら結局自分の欲する場所を確保するしたたかさはかなりのもの。
見た目はタヌキ性格はもっとタヌキな高階病院長や、田口を愚痴外来で補佐する定年再雇用の地雷原藤原看護師といった年経た妖怪たちのキャラも凄いけど、やっぱホームズ役の『火喰い鳥』白鳥圭吾よね~~。こんな強烈なキャラ初めて見た。なんせ初めて白鳥を見た田口が持った第一印象がゴキブリよゴキブリ!!「擬音語で『ギトギト』、擬態語で『ツルン』」「頭のてっぺんからは、細くて長い触覚が出ていて、ゆらりゆらり」「つややかに黒光りするゴキブリ」などと言いたい放題のご丁寧な描写。んでもってこの白鳥が厚生労働省の第一線のキャリアなのだから世も末というものだわ。別名「ロジカルモンスター」。とにかくあちらこちら行くところなすところトラブルだらけ。「イヤもう、なにこれ!」としか言いようのないキャラなんだけれど、もう目が離せないの。
なにこれ?作者の知り合いにひょうっとしてこういう人いるの?ほんとにそばにいたらストレスで胃に穴開くわきっと。
お話はある地方国立大の大学病院で、花形助教授率いるバチスタ・チームの手術で不審死が続いちゃって、その内部調査を田口が始めるところからなんだけれど、もう、息をつかせぬおもしろさ。
思いもよらぬ展開、そして大どんでん返し!
あまりの事に思わず立て続けに3回読み返し、続編の「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」さらには「螺鈿迷宮」に「ブラックペアン1988」まで、読んじゃったよ。
シリーズを読めば読むほど「あれとあれがこう繋がって」「あの人とあの人がこういうつながりで」と緻密に構築された世界観が明らかになってきて、「うわ、まだまだ読みたい!このシリーズ」と禁断症状がでてきちゃいます。危険だわこの本。+++++++++++++