この間門松を立てたかと思ったら、はや桃の節句ですよ。
昨日今日とちょっと冷え込みましたが真冬の寒さに比べると過ごしやすいのが不思議ですな。庭中畑中ご近所中に、さまざまな花が咲き出しているからでしょうか。連翹の黄色もそうですが、この花桃のピンクもいかにも春の色です。優しい。
花桃は花を愛でる品種で、実を結びません。しかし、普通の桃でも鹿児島のような南国ではなかなか実を結ぶ木はありません。桜桃とか桃とかはそうです。だからこそ「暖地桜桃」という品種があるぐらいなのです。10本のうち1~3本ぐらいでしょうか、ときおりちゃんと実を結ぶ木があり、それはなかなか貴重な木です。
日置の家の隣のむっこちゃんのおうちに、それはそれは立派な水蜜桃の木がありました。かなり大きい木で夏になるとたわわに甘い桃色の実をつけました。むっこちゃんちに遊びに行っては水蜜桃の木に登って実をもぎ、甘い汁を滴らせながら齧り、種をそこらの畑にポイと捨てては、「石蹴り」や「かわら投げ」や「かかし」なんかの遊びを飽きることなくやり続けました。今思えばすごい贅沢な時間だったなあ―――。
あの木は鹿児島ではすごく貴重な木だったんだなあ。
今はむっこちゃんはお嫁に行き、おじさんが一人で住んでいます。家をバリアフリー仕様に建て替えて、そのとき桃の木はなくなりました。
季節は変わり、景色も変わっていきます。時の流れは誰にも止めることができないけれど、「あのときああすれば良かった。こうすれば良かった。」などと後悔はしたくないです。