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2005年10月 5日 (水)

ミノムシ

Nec_0058 ミノムシです。

1990年代半ばに「ミノムシが絶滅危惧種だ」と聞き、マジかよ?と耳を疑いましたが、めっきり見かけなくなりました。原因は寄生虫です。中国がミノムシの親のオオミノガの駆除のために導入したオオミノガヤドリバエが何かの拍子に入ってきたらしいです。しかし、なんと今度はそのハエに寄生するコバチやヒメバチが出てきて、生息数が回復しつつあるのですと。ほんに自然というのは人智を超えております。

戦後の4コママンガを席巻した「サザエさん」(長谷川町子著・朝日新聞社より復刻版全45巻、しかし姉妹社版がお薦め)の中で、秋になると必ずこの虫が木からぶら下がっているものでした。サザエさんご一家は東京の世田谷区に住んでいたはずですが、あれが世田谷とはもはやSF。感慨深いものがあります。

あ、念のために申し上げておきますが、アニメの「サザエさん」とマンガの「サザエさん」は全く別物です。人畜無害なアニメ版をもってして「サザエさん」を語るなかれ。マンガの「サザエさん」はシニカルでクールでシビア、そのユーモアはブラック、朝日新聞という「良識の砦」で連載していたくせにかなりスレスレのスケベギャグもさらりとこなしてます。大人になってから意味の深さがわかる、真に大人のためのマンガです。長谷川町子氏の姉妹が出版してらした「姉妹社版」は絶版ですが、だんぜんこちらがお薦めです。ときどき古本屋で見かけますので、見つけたら即買いです。

「サザエさん」の全盛期には、まさか「姉妹社版が絶版になる」という事態を想像もしていませんでした。それこそ「ミノムシの絶滅の可能性」が想像の範囲外だったのと同じようにです。よってまことに情けないことに実家にあった「サザエさん」は散逸して残っていません。古本屋で即買いしているのはわたくし自身です。しかしこの永遠の名作を絶滅させてはならんと、読者数の回復を少しでも図るべく、布教活動にいそしんでおる次第です。

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