もう7歳になろうとしてます。鶏としちゃ高齢。おばあちゃんです。
自分はもう卵を産みません。
なのに、ほかの若い鶏が産んだ卵を、すぐ抱卵してしまうの。
有精卵、無精卵、偽卵おかまいなし。今現在も抱卵中です。
思えば、彼女が孵化後半年になって、同腹の姉妹たちの誰よりも早く、卵を産みためて抱卵を始めたなあ。卵を取り上げたら鶏小屋から脱走してまで抱卵をしてたなあ。
ほんとうに抱卵が好き、というか生きている意味!か。
雛の面倒見もよくて、今まで上手に何腹も育ててるし、他の雌鳥の雛もついでに面倒見ていました。
お母さんの鑑だね。
生き物として、雌として正しいよね。
一生懸命抱いているのに申し訳ないけれど、お腹の下から卵を取り上げています。
でも、こんなに熱心に抱き続けているのだから、今年の春もまた有精卵を抱かせてあげようかな、と思ってます。
もう一度雛を孵させてあげよう。
去年の秋から今年の春にかけて、うちはここら一帯のタヌキたちに「あそこはいいよう。おいしいよう。」と口コミで伝わってしまったらしいです。
むちゃくちゃ腹立たしいことですが、雄鶏一羽に雌鳥五羽がやられてしまいました。(あと雌鳥一羽ひよこ一羽アンズにやられた。雄鶏一羽噛まれた)。
もう、腹が立って腹が立って。「うちはタヌキのレストランじゃねえ!!!」
ちょうど鶏柵と鶏小屋の改装中だった隙を狙われました。今まで鶏番犬を果たしてきたモモ(雑種・11歳・雌)がだいぶ年をとってきて感覚が鈍りダッシュが遅れることも原因かと思います。結果卵を産める雌鳥が三羽まで減り、存続の危機になりました。うちの雌鳥たちは親が抱卵して孵った子たちなので、自分も抱卵ができます。わたしにとっては替えがきかないのです。
「これではいかん」と一念発起し、雌鳥さんたちが安心して夜を過ごせる「鶏長屋」を大急ぎで作りました。
といっても居間の窓の下、犬小屋の隣に木のリンゴ箱を並べ、ビールケースで覆い、2m×1m・10cm角のワイヤーメッシュで囲ってタヌキがまったく入れないようにしました。一部だけ15cm角のワイヤーメッシュを使いましたので、鶏たちはそこから自由に出入りできます。
そして昨日も書いたように、鶏番犬アンズに駆虫薬を飲ませて体調万全にしてお腹が空かないようにしました。
これができて以来、タヌキに鶏を盗られてません。
そして雌鳥さんたちにストレスが無くなったのでしょう。産卵成績が劇的にアップしました。昼間はヤギたちと同じ囲いに放し飼いなので自分が食べたいものを食べ放題。そりゃストレスはないわなァ。
とりあえず、今度の秋までに雌鳥を10羽に増やすことが目標です。
ちゅうてもわたしが産卵したり抱卵したりするわけじゃないんで、三羽の雌鳥さんたちに、はめつけて(きばって)もらわねばならんのですが。
うちは「鹿児島市のチベット」とでもいうべき山の中で、年間を通じてタヌキ、キツネ、イタチなど鶏を狙う獣が出没します。
特に冬場は餌が不足するのか毎晩のようにやってくるようです。モモとアンズ、犬たちが庭にむかってよく吠えます。
おとといの夜11時ぐらいに、犬たちが吠え雌鳥の悲鳴が聞こえたので鶏囲いに駆けつけました。一羽の雌鳥(頭頂に冠みたいな羽があるのでカンムリちゃん)がうずくまっています。
「よしよし、カンムリちゃん、大丈夫だからね。」優しく話しながら体を確かめてみました。右羽の下の羽毛と皮膚をごっそり剥がされています。うわああ~、これはひどい。
マキロンを傷に吹き付けて、枯れ草を敷いたリンゴ箱に入れて養生させることにしました。犬小屋と居間のそばに置きます。ここだとさすがの獣も近づかないからです。
一羽の雌鳥が怪我をしても、心配です。
「鳥インフルエンザで何千羽、何万羽の殺処分」の処置をとらされる、養鶏農家さんの苦渋たるやいかなるものでしょう?想像を絶します。
わたくし自身は「口蹄疫で殺処分」も「鳥インフルエンザで殺処分」も、疫学的にみて大変愚かな対策だと考えています。はっきり言って「バカじゃないの?」とすら思っている。
ただ戦後の日本農業政策が進めてきた「大規模化、集約化」に準ずる、「大規模牧場」や「大規模養鶏場」は「ウィルスの培養基」にうってつけであることは確かです。「人工的に繁殖させた同じ遺伝子型が狭い場所にうじゃうじゃ」ですから。
「野鳥、野鳥」と大騒ぎしていますが、それもバカ。鳥インフルエンザウィルスは昔から野鳥のなかに潜在していたわけで、それと戦って生き延びた個体が繁殖するを繰り返して今に至るわけです。死ぬ個体、弱る個体もいるでしょうが、生き延びた個体は強くなります。動物とウィルスは、生物の歴史が始まって以来、何十億年もそうやって拮抗しながら進化してきたわけでしょうが。
それ、高校の生物でも学習する内容じゃないの?なんで、きれいに無視されてんの?
「全部殺処分」の発想は、とても怖い。「民族浄化」とか「ホロコースト」とかと、同じところからでてるんじゃないの?
「めんどくせえから、全部いっぺんに殺しちまえ~!!」みたいな。
推定年齢6歳のゴッドマザー・アロウカナ夫人が、まさかまさかの産卵→抱卵→孵化を成し遂げ、雛たちを育てています。たいしたもんです。
うちの庭のすぐそばにカラス夫婦が営巣していて、雛をよく盗られるのですが、さすがベテラン・ママ、よく守って手出しをさせません。
カラスや猫の気配がしたら、アロウカナ夫人すかさず「ヶケッ!!」と一声するどく警戒音を出し、その声を聞いた雛たちが間髪入れず、木の陰や金網の奥に避難します。
たいしたもんです。その動作のすばやさとシンクロぶり、よく訓練された新体操チームのよう。
命がかかっているから、母親は必死で仕込み、雛たちも必死で答えるんあだなァ。そして、雛たちの中の雌鳥がまた子育てをするとき、同じように子供たちを仕込むんだろうなァ。
感動。
最高気温が10℃を切る日々が続くんですが、雌鳥のアロウカナ夫人が孵した雛たちは着々と大きくなっています。
冷蔵庫の中のような気温なのに、お母さん鶏のふかふかの羽毛の中にくるまれて、お母さんの体温でぬくもれば大丈夫!!
なんか、すごいね。
昔、父方の祖父が雉の子を一腹分、ダンボールの中に裸電球を入れて暖めて育てようと何回もチャレンジしていましたが、ことごとく失敗していました。それほど雛を生かす人工的な温度調節は難しいのです。高すぎてはダメ、もちろん低すぎてもダメ。密閉するとすぐ酸欠になる。
お母さん鶏は、ただ雛たちを羽毛の中に抱き込むだけでOK。生き物の体ってうまくできてるよね。すっぽり羽毛にくるまれても空気はどこからか入ってくる。どんな感じなのかな?あのふわふわの羽の中は。お母さん鶏の体温と心音、呼吸、肌で感じる雛たち。
そういう育ち方をした雛でないと、大きくなって卵を産んでも、卵を抱いたり、雛を育てたりできないの。これ、ほんと。
最近のコメント