椿屋敷のお客様

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2006年1月19日 (木)

沈夫人の料理人

Nec_0004_8 学生時代の専攻は中国史でした。

でも、あまりに「でかい、多い、長い」歴史の凄まじいパワーとボリュームに「コリャダメだ」と匙を投げ(当時から根性無し)、合気道部に入ってランニングとスクワットと腹筋と道場練習ばかりしてました。「体育会武道系一の胃袋」と称されるほどよく食べたものです。

中国語もなんとかマスターしようと、わたくしにしては結構な手間とお金をつぎ込みましたが残念なことに全くものになりませんでした。しかし、中国に行く機会がありそれはそれはおいしいものばかり食べる旅行をいたしました。ほんとうに、おいしかったなあ!!この世のものとは思えないほどジューシーな上海蟹のかに味噌。てりてりとつややかな北京ダック。本場四川のマーボー豆腐。上海の屋台で食べたマントウ。抗州で食べた金魚のお菓子。天安門広場で食べたアイスクリーム。長安で食べた枕スイカ。今思い出してもあれはしあわせな日々でした。

「沈夫人の料理人」(深巳淋子著・既刊3巻・小学館)を読むたび、あの食べるもの食べるものすべてがおいしかった旅行のことを思い出します。

・・・・・富裕な商人の後妻さんの若く美しく食いしん坊な沈夫人と、その屋敷に買われてきた腕のいい料理人の李三。李三は腕はいいけれども愚直なほどに正直者。意地悪でサドっ気むんむんの沈夫人の格好のおもちゃです。そしてまた沈夫人にいじめられればいじめられるほど、李三はおいしい料理を作り上げるのです。・・・・・

という、単純な構造のストーリーなのですが、おもしろいのよ。なによりおいしそうなのよ!

「究極の『ご主人様と下僕』物語」とよく書評で言われてますね。まったくその通り!沈夫人の李三の操縦振り、凄いよ!ちょっとサドっ気のある東京の妹など「かくあるべし!わたしも専用の料理人のいる生活をしたい」などと申しております。きゃつはわたくしに負けず劣らずの食いしん坊で、わたくしよりはるかにグルメなのであります。稼ぎも多いのでたいがいのおいしいものは食べているはずなのですが、「沈夫人の料理人」はきゃつの胃袋すら刺激しておるらしいです。

この話あまりにどれもこれもおいしそうなので、また中国に行きたくなりましたよ。今の中国の食べ物がはたしておいしいのかどうかは知りませんが。

派手に炭鉱やら化学工場やらで事故やらかしてばかりで、公害もすごそうな今の中国。

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