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2006年9月 2日 (土)

弁護士のくず

Nec_0049_2 へヴィーなマンガ・ジャンキーなもので、ジャンルを選びません。マンガ禁断症状がでると、少年モノだろうが少女モノだろうが青年モノレディースモノ、とにかく絵があってコマが切ってあってセリフがあれば見境無しです。(こんな体にしてくれた故手塚治虫と故長谷川町子を恨みます。)

大雑把に分けて日本のマンガはこの4ジャンルに分かれますが、もう一つ無視できない大きな市場があります。

オヤジマンガです。

メジャーどころで代表的なのが、雑誌ビッグコミック(小学館)でしょう。代表作が「ゴルゴ13」と「ホテル」と「釣りバカ日誌」あと「あぶさん」と「浮浪雲」ときたもんだ。どうでい?プーー――ンとオヤジ臭が漂ってきたろうが。

オヤジがオヤジのために描いているマンガでございます。それぞれの職業世界のマニュアル的雑学知識を織り交ぜていろんな事件がおこるけれど、そこは「お・と・な・の男」が主人公のマンガ、決して悲観的悲劇的な結末には到らず、大人らしい妥協で社会的正義にのっとった解決ができるよ。SEXシーンもでてくるけどなんせ「お・と・なの男」だから。のめりこんだりなんかしないよ、相手の女は(これがまた決してホモやバイセクシャルは出てこねえのよ)大人の魅力に夢中になったりするけどね。

・・・・・という基本路線を手堅く守っておりますので、まあビッグコミックはそれでもマシな老舗ですが、総じて退屈です。「オヤジって臆病だよなあ――。マンガの中ですら常識や社会の枠組みをはずせないんだ。これじゃ窮屈だろうなあ。」と同情すらしてしまうほど。

同じく小学館の雑誌ビッグコミックオリジナルはたぶんもう少し読者の年齢設定が若いんでしょう。ちょっとはドラマティックな味付けがなされています。なにせ名作「MASTERキートン」(浦沢直樹著。「MONSTER」よりこっちが好き)が載ってたところだし。今は「PLUTO」が載ってるので立ち読みリストに入っております。んで「弁護士のくず」(既刊4巻・井浦秀夫)を読んだわけです。

「このしょぼしょぼした絵どっかで見たよな~?」と思いながら、期待せずに読んでいったんですけどね。「また、オヤジマンガにありがちな特殊職業マニュアルモノかいな。」と見くびってましたけど、びっくり!

ストーリー展開がうまい!!

「おおッ」というような大逆転が必ずラストに用意されてます。この短さでこの起承転結は凄い。それで、結末が明るい。後味がいい。

ううううううむ。

そして主人公のくずのキャラ設定が秀逸。オヤジマンガって意外にこういう人格破綻者の悪党を主人公にもってこないものなんス。そのマンガ世界の中じゃ「困ったチャン」てことになっているけれど、「実は、どってことない普通の主人公」が好きなのがオヤジ。くずの性格の悪さは、結構冒険だったのでは?

でもさ、弁護士が扱うようなトラブルを裁くには、これぐらいの悪党じゃないと間に合わないと思うんだよね。「毒をもって毒を制す」は正しいわけで。オヤジ好みの硬直した「正義」じゃ現実は見えないでしょ。特に女がらみの場合。この世で女ほど「オヤジの正義」をバカにしてる人種はないもの。んでもって世の中の半分は女なんだわ。くずがAV好きのドスケベオヤジでそれをまったく隠す気配もない設定てのは正しい。それこそが難題、難事件を裁く鍵でありましょうよ。

んで、「この作者、やたらとAVとその周辺に詳しいなあ。」と気づいたときに思い出した。「AV烈伝」(既刊5巻・小学館)を描いたヒトだった!!

納得。あれはAV界を巡る人々を熱く語った傑作。なかなかないので探しているところだったのだ。そうか、今これを描いているのか~~。

と、思っていたら「弁護士のくず」は春にTV化されていたらしい。しかも豊川悦司がくず役。んで伊藤英明が相棒役。だったらしい。――――いったいどんなTVドラマだったんじゃ~~?!

これはちょっと見てみたかったかも。

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コメント

TV,毎週木曜の栄養源でした。
数年ぶりかと思うくらいの私のヒット作!
「くず先生」

あ。お久しぶりです。弁護士のくずに反応してます。
あれは,まんがからのドラマ化だったんですね。

リズミカルなストーリー展開。くず先生の切れ味。崩れ感。
観察力からスレスレ巧みなトラップまで。
三枚目の天才は,やっぱり惚れました。
おやじにしか出せない魅力。


マンガのくず先生。読んでみます!
あ,ちなみに,TVのくず先生は,ほっぺが「おてもやん」でした(笑


お久しぶりーゆきちさん、ご無沙汰してごめんです。

おお、そうか!ゆきちさんをしてヒットしましたか「TV弁護士のくず」。
ますます見てみたいなあ。でも、うちビデオしかないから、DVDしか出ないと困るなあ。やっぱDVDは買おうかなあ。あ、ひょっとしてパソコンで見たらいいの?まったく無知なわたくし。

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