椿屋敷のお客様

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2007年1月 3日 (水)

異界口

Nec_0003_26 井戸、川、湖、池、海・・・・・・そして辻、橋。民俗学でこれらは異界への入り口ということになっております。この世ならぬ場所へ通じる回路なのです。

実際「水の流れ」というのはちょっと想像もつかないようなルートを辿って流れています。大仰な洞窟とか地下水路とかでなくても、そこらの側溝とて思いもよらぬところに巡っていたり、通じていたり。

誰そ彼時や彼は誰時、月明かりの下でそういう側溝口が暗く口を開けているのを見ると時折ドキッとすることがあります。

「何かこの世ならぬものが這い出てきそうな」あるいは「ふらふらとそちらのほうへ引き込まれてしまいそうな」感覚。その感覚は本能的なもので脳の一番深いところから湧き立ってくるように思います。誰しもが多かれ少なかれこの感覚を持っているのではないでしょうか?

ジャパニーズ・ホラーとして一時代を風靡した「リング」も「井戸」というクラシックな装置を利用しておりましたね。「貞子が井戸から這い出てくる」恐怖、それが本来みなが持つ「井戸」という装置への恐怖心を刺激して絶大な効果をあげていました。

この感覚はどうも洋の東西を問わないらしく、スティーブン・キングなんかも使ってました。特に「It」。あれは側溝とか下水道とか給水塔とかに潜む邪悪を描いて、いやああ、怖かった怖かった。「キリスト教文化圏でもあの手の装置は怖いんだなあ。人類共通の恐怖なのかも」と思い至ったしだいでございましたよ。

写真はうちの畑の端にある側溝口です。夕方に撮ったのですが、写真のほうが怖いです。ここからどんどん下へ下へと下っていき、谷へと落ちていきます。ここから出てくるのは実は狸か鼬なんですけどね。

狸ご一家が側溝を通路にして走っているのをよく見かけます。

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コメント

隙間から白い手とかゴツイ手が出てきたらコワイです(笑)
異界口というと、学校の古い汲み取りトイレなんかにもそういう匂いを感じたりしました。

うちの小学校も古い汲み取りトイレで・・・・・・。か~なり怖かったです。回虫がうねってるのが見えたりして、別の意味でも怖かったです。

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