のだめカンタービレ
まッこちお客様はありがたいもので、台風見舞いのメールをくださり、記事の間違いを指摘してくださり、文字化けの直し方を教えてくださり、リストの「ラ・カンパネラ」のサイトを紹介してくださるのである。ありがたいことじゃ。
「ピアノの貴公子」リストの「ラ・カンパネラ」は大好きな曲だ。文字通りPPP(ピアノピアノッシモ)でピアノを弾きこなす技量がないと弾けない。「弱く弱く弱く」弾くには訓練と才能が要る。男でも女でも、ショパンとリストを弾きこなす人には惚れる。
今ピアニストが主役のマンガでピカイチは「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子著・既刊12巻・講談社)でしょう。ダントツです。これは「KISS」という女性誌で連載されているのだが、「一昔前なら青年誌のテイストだよなあこれって・・・」というほど女臭くないマンガである。
何せ主人公の「のだめ」が変。変人を通り越して変態である。まず、部屋が汚い。とんでもなく汚い。ピアニストの卵であるからいつもグランドピアノと暮らしているのであるが、ゴミの中から発掘しないとピアノが出てこない。「ヒロイン」がこれって思い切ったよなあ。んで、「ヒーロー」たる千秋(指揮者の卵)はキレイ好きで神経質、料理の達人。たまたまのだめの隣の部屋に住んでた音大の先輩なんだけど、馴れ初めがねえ、酔っ払った千秋をのだめが自分の部屋に引きずり込んで、あまりの部屋の汚さに仰天した千秋がボランティアで大掃除、洗濯するということから・・・・・。その関係は12巻にいたってもそのまま、のだめはおにぎりしかできず部屋は鬼汚く、千秋はのだめのためにおさんどんをしている。千秋はもともと指揮者にありがちな「俺様」で「唯我独尊」性格なのにねえ。あまりののだめの変人・変態ぶりに「今度こそ手を切るぞ、切るぞ」と決心するにもかかわらず、「変態の森」に引きずり戻される。一度など別れ話を持ち出したとたん、パリのおしゃれな橋の上で「後ろから飛びげり!」をかまされとったぞ。「殺される・・・」と思った千秋はそのまま復縁。
主役二人がこのありさまなので、でてくるキャラでてくるキャラ、すべて変人もしくは変態。ルックスはいいのにバイオリン下手、目立つこと命でファザコンな峰、千秋に岡惚れのティンパニー奏者、オカマの真澄ちゃん、何より千秋の「師匠」となる世界的指揮者のミルヒーことシュトレーゼマンのキレぶりは地球規模。自家用ジェットで世界中を演奏旅行しているのかキャバクラ回りしてるのかわからない。もー笑う笑う。
一昔前なら、女性誌でこういう「道を極めます」ものって、登場人物はみんな人格者だったのにねえ。でも、こういう「変態情報の解禁」てすごくいいことだわ。音楽の授業じゃ習わなかったけど、時代を築いた音楽家って、みんな私生活は「そりゃーどうよー(笑)」というむちゃくちゃさだもん。だからこそ他者を動かせるほどの曲がかけたのだろうしね。
フジ子・ヘミングの弟の怪優・大月ウルフさんが経営するお店が「ラ・カンパネラ」だったっけ・・・
ヘミングさんも猫好きの「変人(変態)」入ってるので、
弟さんが千秋みたいに世話を焼いていたらしいですね(笑)
投稿: しまねこ | 2005年9月10日 (土) 13時53分
そうですか・・・。ふじ子・へミングさんのピアノは信じられないほど繊細で美しいですが・・・。やっぱ本人はちょっと変わってるんですか・・・。さもありなん。さすがしまねこさんよくご存知。
投稿: 春 | 2005年9月10日 (土) 20時26分