ごくせん
おかげさまで、だいぶ風邪はよくなったのですが、家の風呂に入ると寒さでぶり返すので、温泉に行ってきました。車で5分圏内に3件も温泉があるのです。ビバ鹿児島!温泉から帰ってきたら、「これはぐうたらせよという歳神サアの思し召し」などと勝手なことをほざいて、寝転がってマンガ読み。ああ~しあわせ。
そういうぐうたらマンガ読みにふさわしい作品がこれ。「ごくせん」(森本梢子著・集英社・既刊12巻)。何かTVドラマにもなって大ヒットしたようだけど、TVをほとんど見ないので未見です。機会があったらビデオで見るかも。マンガのほうが最高におもしろいので、今のところこれで満足してるのです。
・・・・・不良とヤンキーの巣窟白金高校に赴任してきたメガネの新任女教師、山口久美子通称ヤンクミ。一見まじめでおかたそうな彼女にはとんでもない秘密が。実は老舗のヤクザ、黒田一家の跡取娘なのでした・・・・・
設定だけ聞くと「な~んだよくありそうな話。『奥様は魔女』系つうかさ。」などといいたくなるようなパターン踏襲なのですが、森本梢子氏の本領はここからなのです。とにかくキャラクターの配置がいい。主人公をはじめとしてどのキャラも「どこかで見たような・・・」一見類型的なキャラなのです。でも、その配置が巧みなので、ストーリーとして動くときに、そのパターン化とかマンネリズムとかがかえって心地いい。
ヤンクミが担任するクラスを〆ている慎。頭も運動神経も良く侠気もある慎は、やっぱりというかなんというかヤンクミに惚れる。惚れたはいいがなかなか進展しない池の恋のもどかしさ。なんなればヤンクミには片思いの相手がいて、それは黒田一家の顧問弁護士篠原先生。じれったくなるようなよくある三角関係も、森本氏一流のすっとぼけた間があればこそ、ツボをおさえて笑かしてくれます。
クラスの仲間のクマ、うっちい、野田、南、同僚のFカップ巨乳教師藤山先生、露出狂のハゲ校長、黒田一家のてつ、ミノル、若頭京太郎、若松、そしてヤンクミの祖父三代目龍一郎。それぞれがそれぞれにふさわしい性格と容姿(「YOU」みたいな女性誌でこんな身も蓋も無いキャラデザインでいいのか?というぐらい)でばっちり配置されてます。うううむ、見事だ。
9巻からは黒田一家の愛犬、性格オヤジの土佐犬(の雑種?)富士まででてきて、一見クールな慎とからむからむ。笑かす笑かす。うううううむ、見事だ。
どうなるんでしょうね、黒田一家の四代目跡目相続。『赤獅子の若大将』慎か?『弁護士』篠原か?ヤンクミの恋の行く末がダイレクトに絡むこの顛末、目が離せませんよ―――!!
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