椿屋敷のお客様

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2006年10月29日 (日)

ピラカンサス

Nec_0040_8 ピラカンサスの実です。いつ見ても赤くてぷりぷりしておいしそう。

でもこれは青酸系の毒を持つ植物。口に入れたらダメです。死なないまでも強烈な嘔吐に襲われるのだとか。

とはいうものの、極論するならこの世の物質で生体に毒でないものは無いんですよね。

例えば水。水もちゃんと致死量があるわけです。中世の異端審問や魔女裁判で文字通りの「水責め」があったそうな。口に漏斗を加えさせ、そこから無理やり何リットルも水を流し込んだそうな。有名な毒殺魔ヴランヴィリエ公爵夫人がこの拷問を受け、強情な彼女があまりの苦しさに音を上げたそうな。胃が裂け、食道が破れるほどの水を摂取すれば人間死にます。それこそ致死量です。

例えば酸素。これは元来生き物にとって猛毒なのです。何十億年とかけて地球上の生物は「酸素をエネルギー源として利用する」方向に進化してきたのですが、ところがどっこい酸素こそが生き物の体に仕掛けられた時限爆弾。フリーラジカル(活性酸素)が鉄を腐食させるように生物の体を蝕んでいくために、細胞は老化するのです。

塩だって、砂糖だって、とにかくありとあらゆるこの世の物質は、致死量を超せば生体にとって毒。適量ならばエネルギー源だったり、薬だったり、生体組織の組成に使ったり、なにやかやと有用に使えますがね。

世の中は「毒にも薬にもなる」モノだらけなのです。要は匙加減。

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コメント

はじめまして。

 「雌が雄を食べる」 そのようなキーワードで検索してたら、たどりつきました。カマキリや蜘蛛は、出産後に雄を食べることもあるらしいじゃないですか。それにカマキリの雄は、雌に食べられている最中に、逃げないとか。死は生き物にとって最大の苦痛のはずなのに。。 興味深いです。

 質問があるのですが、もし知っていたら教えてください。
人間は、どうやって、この木の実には毒がある、ない。と分かったのでしょうか。他人が食べるのを見て、苦しんでいる人がいたら、これは食べたらまずいのだな。と記録していったんでしょうか。もしそうだとすると、犠牲になった人のおかげで、我々食べ物で死ぬことはないわけですね^^;

はじめまして。ようこそいらっしゃいました。クモやカマキリの産卵後のメスがオスを捕食する行動はわたくしもたいへん興味がありまして、注意しております。今ジョロウグモの交尾シーズンが終わりがけなのですが、よく大きなメスの巣にオスの死骸がぶら下がってます。なんとか捕食する瞬間を見たいものです。

さて、ご質問の件です。これについてはあくまで推測の域をでませんが諸説あります。もちろん何百万年の人類の歴史の中で中毒死した同胞を見て、口伝として言い伝えてきたことが圧倒的に大きいです。あと、すでに原人・旧人の段階で薬師的な存在があり、そういった役柄のものが少しづつ口に含みながら自分の体で薬効や毒性を確かめ次世代に伝えていった、ということもあったようです。なんにせよ今の医学・食品学・農業・・・・・・すべて気の遠くなるようなご先祖サアたちの経験と知恵の結集でありましょう。

コメント、どうもありがとうございました。


>今ジョロウグモの交尾シーズンが終わりがけなのですが、

春さんの地域では、蜘蛛の交尾のシーズン と意識せずとも分かってしまうわけですね。僕も自然いっぱいの所で育ちたかったなぁ。


>よく大きなメスの巣にオスの死骸がぶら下がってます。

雌は用がなくなると、雄を始末するわけですか。蜘蛛に産まれなくてよかった。ホッ。
おまけに、死骸が残っているというと、食い残しがあるわけですね。おいしい部分だけ頂くとは、なんという…。

春さんは、女の方なのにホームページを見させてもらっていると、キリギリスを手に乗せたり、すごいですね。僕も小さい時は、カエルとか余裕で触っていた記憶があるのですが、いつのまにか虫は触るものではないのだ。という価値観を周りから植えつけられたのでしょうね。
今では、とても、触れません。
春さんの地域に、僕も生まれていれば今でも、色々な虫を触れるんだろうなぁ。

蜂の巣を、鶏にやったとかって書いてありませんでした?鶏、蜂の巣を食べるんですか!?(口の中でさされちゃう)


>そういった役柄のものが少しづつ口に含みながら自分の体で薬効や毒性を確かめ次世代に伝え

次の世代のために自分を犠牲にするとは、すごいことをしますね。種の保存のためですか。大昔の方が、今の人よりもよっぽど利他的ですね。

私も食に料理に携わっていますが、何事も匙加減とは本当ですよね。

聞きかじった話ですが、自然のものを焼いたりするだけで食べている原住民の方に精製した砂糖をなめさせるとショック症状を起こすとか。

過ぎたるは毒。重々心に刻みたいと思います。

そうそう。春さん、料理のバイトは調子いかがですか。
お給料をもらいながら技能を身につけるとは
賢明な発想でいらっしゃる。

私もどこかで聞きかじった話。
どこぞの女将さんが、偉い人に「一番うまいものは何じゃ」と聞かれ
「塩でございます」と答えた。
「では、一番まずいものは」「塩でございます」
「貴様、ふざけておるのか」「ではお試しください」
で、塩なし・塩かけすぎ・程良い塩加減の焼き魚を次々出して
偉い人にお褒めの言葉をいただいた、とか。

その「匙加減」というのが難しいのですよね。
料理も、恋愛も、子育ても、人生も。
そんなことに迷っているのは、人間だけかも知れず。

酒場のブルーノさん、
いや、田舎暮らしですとね、今頃そこらじゅうがクモの巣だらけで朝夕歩くとクモごと顔に張り付くし、キリギリスは勝手に手に乗ってくるし、それどころか寝ているうちに何の罪も無いわたしの手をムカデが噛むし、庭をうろうろするとスズメバチに刺されたりするわけですよ。鶏にはスズメバチの幼虫だけになった巣をあげたわけです。幼虫は刺さないので(笑)。残酷ですが。もし鹿児島にいらしたら一声かけてください。(笑)どうぞ、どうぞ山の中を満喫してくだされば・・・・・

708さん、
料理にたずさわるかたには釈迦に説法でございましたな(笑)。
塩加減は難しゅうございますです。過ぎたるは毒。まことにそのとおり。

みの窓さん、
おかげさまで、鍛えられております。ありがたいことですよ。なにせおいしそうな匂いがぷんぷんする場所なので、これほどの幸せはございませんです。
「迷う事が楽しい」ということもありでございますな。


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