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2006年11月 2日 (木)

バッテリー・バッテリーⅡ

「画像がダメなら文章を書けばいいじゃない!」

などとできそこないのマリー・アントワネットみたいな事を言っている場合じゃないのです。こういうときはブック・レビューだ!本だ。本の紹介だ!

というわけで、今夢中の「バッテリー」シリーズ(あさのあつこ著・教育画劇もしくは角川文庫)です。Ⅵまででているのですが、まだⅡまでしか読んでいません。残りは毎度おなじみ市立図書館伊敷公民館分館で予約済み。あああ、早く残りが読みたくてたまらないのに、読んでしまうのがもったいない。こんな切ない気持ち久しぶりよ!

もうね~~~。なにこれ?なんでこんなにドキドキするの?ワクワクするの?ホントに児童書だったの?ある意味凄くセクシーでエロティックな少年達の関係性を書いている作品なのに。究極のストイシズムこそが究極のエロティシズムに通じるのだと、改めてこの本によって思い知りました。

お話は単純かつ明解で、現代の、しかも岡山の田舎の野球少年たちが中学で野球をする、ただそれだけの話。

主人公の巧とね、巧とバッテリーを組む豪がね―――。イイのよ――――。設定ではこの二人はまだ中学はいりたての12歳。なのに、なのに、おばさん、不覚にも読みながらドキドキしました。惚れました。

巧は「子供であるとか大人であるとかを超越した」天才ピッチャー。12歳にして完成されたフォームとスピード・コントロールを兼ね備えた孤高の天才。天才くんにありがちな「おまえ~、もう少しでいいから協調性を持てよ~!!!」と読みながら喚きたくなるような社会性の無さ。でもね、でもね、読んでいるうちにね、そのあまりの孤高ぶりがね、カッコいいのよ――――。カッコよく見えてくるのよ――――。言っちゃ何だけどさ、挫折したりネジくれたりイジケたりそういう男にはもううんざりしてません?どんだけ周りから浮こうが疎まれようが、あきれるほどおのれの才能にのみ忠実な巧の、潔さ。たまらん。

そしてそれを支えるキャッチャーの豪。この子も12歳とは思えない底の知れない包容力をもっている。まあ、巧みたいな天才くんに惚れて押しかけキャッチャーをするような子だから、ちょっとやそっとの懐じゃやってられないんだけどさ、深いのよ。凄いのよ。そこらの大人の男じゃ及びもつかないような優しさ。鋭いけれど時としてそれで自分自身も傷つける巧を、そりゃそりゃうま~いことフォローして、世の中と折り合いをつかせていく、その頭のよさ。いいわああ、この子もいいわあああ。

あと巧の弟の体が弱い不思議少年青波、巧の祖父の元甲子園常連監督洋三、そして息子達に翻弄される母親達・・・・・・脇役も実にいいです。「ああ、いるいるこういう人。」典型をうま~くキャラクター化しています。素晴らしい!

ここよりネタばれ――――

Ⅱ後半で、巧は野球部の先輩達から、ほとんどレイプに近いリンチを受けるんだけど、そこからのシーンが、もおおお、ドキドキしました。

倒れている巧を豪が見つけて、たまたま親が留守だった自宅に連れ帰って、そりゃあ、かいがいしく手当てするのよ。どんな女も(男も)こんな手当てされたらもうメロメロよ。あんなひどい目に遭って「折れない・変わらない」巧の強さも強さだけど、その巧を「まるで息をするように自然に受け入れ癒し守る」豪も豪だわ。

リンチ事件が発覚して野球部の公式活動が禁止されたⅡだけどⅢではいったいどうなるの?早く読みた――い。

ああ、でも読み終わりたくな――――い。しつこくしつこくⅠとⅡを読み返しながら待つことにします。

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コメント

お元気ですか?~

ご心配かけてすみません。やっとパソコン復活しましたあ。涙の復活でしたあ。今後ともよろしくお願いいたします。

祝復活♪
11/4にカキコしようとしたら、なぜかシックス・アパート株式会社のメンテのページに飛ばされたので、そちらも心配していましたです。

ありがとうございます。シックス・アパートって何なのでしょう?というぐらいネット世界に(他のことも)疎いので、パソコン復旧には人の何倍も苦労してしまいました。迷惑かけまくりでした。

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