カルバニア物語・11巻
「月日のたつのは早いもの・・・・・」平々凡々な言葉ですが、年を重ねるごとにその言葉が重みを増します。本当に早いものです。
「カルバニア物語」(TONO著・徳間書店)は年1冊ペースで新刊が出ていますので、もう10年。TONO氏ではありませんがまさかこんなに続くとは。
いえ決しておもしろくないというわけではなく、あまりにもおもしろいので、「このペースのまま少女マンガというジャンルで描き続けていくことができるのかしらん?」と思っていたのです。杞憂でした。
11巻もあいかわらずおもしろいです。いよいよ主人公エキューが「カルバニア初の女公爵」に叙爵されるわけですが、この間の主役は彼女ではない。あとがきにも書いてありましたが「後家、後妻、妊婦」である熟女たちです。
ホルグの後家二コール、バスクの後妻アンヌ、タンタロット元公爵の子を身籠ったナタリー。どの熟女の個性も強烈。特にホルグの後家二コールはエキューをして「才色兼備」と言わしめるやり手ながら男嫌い。癖強し。
うううううむ、それにしても10年前ならこの年齢の女たちを主にもってくるのは許されなかったでしょう。思うにマンガを読む年齢が全般的に上がっているのでしょうね。「カルバニア物語」が連載されている「CHARA」は、10年前ばりばりやおいの少女誌だったように記憶しますが。読者の年齢層が上がって懐も深くなり「少年同士の美しい恋愛」じゃなくても平然と受け入れることができるようになってきたのでしょうね。
「年をとる」ということはそういうことですね。「何でもあり」だと受け入れることができるようになる。「明日は誰にもわからない」と。それはとてもすばらしいことだと思うのです。
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