悪の教典
考えてみれば貴志祐介を結構読んでいることにびっくり。
「ISOLA」「黒い家」「天使の囀り」「クリムゾンの悪夢」「青い炎」「新世界より」「硝子のハンマー」「狐火の家」・・・・・・・なんか、結構読んでるな。ひょっとして好きなのか?あんまり意識したことなかったのに。読みやすいことは間違いがないな。
んでもって「悪の教典」。市立図書館で借りました。やっぱり読みやすい。そしておもしろい。
以下ネタばれ注意。
貴志祐介の「黒い家」以来のテーマに「サイコパス(反社会性人格障害)」があるんんだけど、この「悪の教典」はその集大成みたいなものだと思うね。この主人公蓮見以上のサイコパスがありえるんだろうか?それほど強烈。頭よくて顔よくて体力あって最強。
「サイコパスはひょっとしたら資本主義社会に過適応した存在かも。」というのも「黒い家」から提議されてる。蓮見も子供の頃から人殺しを繰り返しながら(親も殺してる)世の中を非常にうまく渡っている。その彼を唯一打ち負かした存在が、アメリカの世界最大の証券会社のトップ(すなわち資本主義のトップだ)だったってのが、象徴的だよね。
アメリカで身ぐるみ剥がされて、日本に帰ってきて、高校教師に潜り込んで、そこで自分の思うがままの王国を作り(なにせ天敵は存在しない)人殺しをしまくる。こんなんがいたらコワーーー!!でもひょっとしたらいるかも?ってとこが、またコワーーーー!!!
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