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2005年7月29日 (金)

MOONLIGHT MILE

Nec_0103 スペースシャトル・ディスカバリーで大騒ぎ。NSAは「安全だ」と言い張ったすぐ後に「でもやっぱ危険だから、しばらくスペースシャトル中止」と言うことくるくる変わる、変わる。大丈夫かいな?わたしはアポロの月着陸映像も「ハリウッド特注じゃねえのか?キューブリックやスピルバーグのほうがずっと派手な映像じゃけどな。」と思っているような人間なので、「ふーん・・・」と言うのが基本姿勢である。が、このマンガを読んでから少し違うかな。「MOONLIGHT MILE」(太田垣康男著・小学館)。感動したなあ。今の近未来宇宙開発SFマンガじゃ、ピカイチだ。主人公の吾郎は冒険家の故植村直己氏を彷彿とさせるような、タフなブ男(失礼)なんだけど。これが、もてるもてる。港ミナトに女あり、宇宙港ごとに女あり。しかし彼のどんな状況下に置いても、タフで冷静で、生き残るための策をとる(しかも人を殺さない)精神力の強さをすごくうまい演出と、視野の広い大人な視点で見せてくれるので、「こりゃあ女も惚れるわなあ。」と思わせる。本命の恋人理代子は、日本の宇宙開発を支えるキャリアウーマンだが、最新10巻では、その理代子の妊娠が(もちろん吾郎の子)なんと月の国際サミット中に発覚。(この国際サミットは次世代エネルギーの月のヘリウム3の配分を巡る重要な会議で、理代子は日本代表)初の月ベビーとなるはずなのに、月を支配するアメリカ宇宙軍と吾郎の元親友のロストマンには、邪魔な存在。世論にばれる前に隠密裏に「処理」しようと企む。月面上の隅々まで張り巡らされた、アメリカ宇宙軍の監視システム。理代子とベビーは無事逃げきれるのか?

作者はものすごくストーリー展開と伏線の張り方のうまい人で、この顛末にもあっと驚く痛快な決着がつくんだけど。(11巻に載る筈)。簡単に人を殺さないし、「この状況下でどうして希望を語れるの?」というような過酷な状況でも、あきらめず、胸のすくような解決策を持ってくる。傑作である。

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