椿屋敷のお客様

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2005年10月

2005年10月 1日 (土)

貝殻

Nec_0048 今日の夕食に使ったハマグリの貝殻です。

「なぜ突然貝殻?」といぶかしく思われる向きもおありでしょうが、今、アサリ、シジミ、ハマグリなどを食した後の貝殻を、木槌で砕いて地鶏くんご一家(特に奥様方)のお食事に混入させていただいてるのです。もちろん奥様方がお産みになる毎日の卵の殻を(今でもかなり硬いのですが)硬くしてもらおうという魂胆です。おかげさまでどの鶏も食欲旺盛で、卵も初卵のときに比べて大きくなってきています。ときどき一日4個の時もあり、いよいよ来るべき秋冬に向けて、お待ち兼ねの皆様にご提供できるものと存じます。

などと、思いながらつくづくとハマグリの貝殻をながめておりましたのですが、また「古事記」のオオクニヌシノミコトの話を思い出しましてね。オオクニヌシ様はハマグリと赤貝の女神に命を救われているのですよ。

だいたい、オオクニヌシ神話には、そりゃもう徹頭徹尾女の影がつきまとうんですけどね。オオクニヌシ様には80人(すごい数です。ビンラディン以上です。ま、『多くの』ぐらいの意味ですか。)の兄上がいたんですが、この兄たちとともに美人と噂のヤガミヒメに夜這いをかけに行きます。その途中で会うのが有名な「因幡の白兎」。「かーわをむーかれて赤はーだか♪」で泣いているウサギちゃんなんて、もろ女でしょう。兄上たちがだまして塩水に漬けてひどい目にあわせたのに、オオクニヌシ様だけが体を真水で洗って「ガーマの穂綿にくーるまーれとー♪」教えてあげたので、ウサギちゃんオオクニヌシ様にほれ込み「あなただけがヤガミヒメを手に入れるでしょう。」と予言。その通りになって嫉妬しまくった兄上たちが、山から焼けた大岩を「赤イノシシだからしっかり捕まえろ」とか騙して転がし落とし(なんちゅう騙し方をするんじゃ)、オオクニヌシ様を焼き殺します。

それを嘆き悲しんだ母神様が、カミムスヒノ神に訴えて、キサガヒヒメ(赤貝ヒメ)とウムガイヒメ(ハマグリヒメ)を遣わしてもらうのです。キサガイヒメはわが身を削った粉を出し、ウムガイヒメは乳房から汁を出してそれを混ぜ合わせ、オオクニヌシ様の火傷に塗りつけます。するとたちまちオオクニヌシ様はよみがえり、元通りの美丈夫となりました―――。

とな。

ママがでてきて命乞い。遣わされた薬師は二人とも女。もろ肌脱いで我が身を小刀で削る女と、乳房からお乳を出してそれを混ぜ合わせる女、彼女たちが火傷をして裸で横たわる男にそれを塗りつけていく。最初読んだとき、そのあまりにエロティックなイメージでくらくらしましたよ。

この後もオオクニヌシ様はあっちこっちのヒメに妻問いをしまくり、そのたびにトラブルに巻き込まれて、またそのたびに女に助けられておるのですな。(女にもてるからこそのトラブル?もともと男に嫌われる男のタイプ?)例外はスクナヒコナノミコト逸話ぐらいですか。深読みすればあれも賢い少年を寵愛する話ととれなくもない。なーんかやることなすことどうもすけべえの匂いがする神様なんですね。だからこそ、出雲大社が日本一の「縁結びの神様」なんでしょうが・・・・・(恥ずかしながらあたしゃ5度も参拝してます)。

ハマグリはよく食べるんですがね。よくオオクニヌシ様の話を思い出すんですよ。「ハマグリは女性器の象徴」とは、民俗学じゃよく言うことですしね。

ましてや今日から10月、出雲に神様が集まって、それ以外の日本中が「神無月」、ちっとやそっとご無礼なことを考えてもバチは当たらんでしょう。

チャドクガ警報

Nec_0001もはや警報です。

お客様のclusterさんところのTAROくんがチャドクガの被害にあいました。小学校の校庭のサザンカだったそうです。すばやく病院に連れて行ってお薬をいただいたそうです。

学校、公園、道路などの公共施設はやばいです。80年代ぐらいに「都市緑化」が叫ばれて、この手の公共施設に「サザンカの生垣」が山ほど植えられました。「安価で丈夫で花が咲いて、しかも落ち葉が出ない」ので重宝されたのです。サザンカには何の罪もありません。ツバキ科の樹木にチャドクガはつきもので、発生が少数のうちには何の問題も無いのです。問題は「それが単一種で多量に植えられている」ことと「害虫駆除のために農薬を全体散布しなければならない」ことなのです。というのも、自然下でチャドクガが発生しても、その天敵(クモとかカマキリとか)が捕食するので数は自然に調整されます。しかし農薬を全体散布するとその天敵も絶滅させてしまいます。チャドクガのほうは恐ろしく繁殖力が強いので小数でも生き残り、翌年は天敵のいないパラダイス状態になってしまうのです。

誤解なきよう申し上げておきますが、そういった公共施設での害虫駆除に関係者の方々はたいへんな努力と知恵を絞っておられます。農薬の全体散布についても、「今いる虫を全滅させてくれ!」というのが一般の要求である以上散布しないわけにはいかないのです。結果翌年にはさらなる大発生を招き・・・という悪循環が今年の大発生の原因だと思います。Nec_0002 難しいです。

とりあえず、前に「自宅の庭の発生には、家庭用のピレスロイド系殺虫剤で充分である。」と書きましたが、付け加えます。「必ず、チャドクガの集団にピンポイントで散布すること。」です。決して他の場所には撒かないでください。翌年の大発生を招きます。あとチャドクガの死骸やサナギ、成虫も毒針を持ってます。死骸も充分気をつけながら処分したほうがいいです。万が一毒針を浴びたら即座に粘着テープ等で皮膚をたたき、毒針を除いてください。そして病院です。ほっとくと何週間も苦しみます。

以上、恐ろしい話を書きましたが、特に小さいお子さんをお持ちの方お気をつけください。

あと、clusterさんところでこれも話題になっていた「スズメバチ」ですが、鹿児島市内のど真ん中のお宅のお庭で見ました。こちらにも充分ご注意ください。