椿屋敷のお客様

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2005年10月28日 (金)

Heaven?

Nec_0013_1 母方の祖父も変わってましたが父方の祖父も変わってました。もう、18年前に亡くなったのですが、商売人で普請道楽で、色々飼ってました。覚えているだけでも鯉、金魚、七面鳥、金鶏鳥、薩摩鳥、チャボ、キジ、うずら・・・犬は当たり前のようにいましたし、猫にいたっては勝手に入り込んで我が家のように振舞ういわゆる「入り猫(縁起がいいといいますね)だらけ。当然のように佐々木倫子氏の大ヒット作「動物のお医者さん」(白泉社・全12巻・文庫版あり)の大ファンでした。「この動物とのクールで絶妙にボケた距離感はやっぱり飼ってた人だからかな?それとも北海道の人ってこうなの(偏見)?」と思ってましたが、デビュー作「エプロンコンプレックス」も「忘却シリーズ」も変だったので、「やはり佐々木氏がこうなのだ。」と納得したことでした。

その後小学館に移り「おたんこナース」(全6巻)を描き、今は「月館の殺人」を連載しています。やはりクールで絶妙なボケは健在です。前作「Heaven?」も基本はグルメレストランマンガなのに、も、他のグルメマンガとまー――ったくテイストが違う!

なぜか小金もちでマスコミに知り合いの多い謎の女黒須が、道楽で始めた「墓地にあるフレンチレストラン(ご丁寧にも葬儀場と棟続き)”ロワン・ディシー(この世の果て)”」。ここに集められた、どこかネジの一本足りないスタッフたち。愛想が無くて笑顔ができないサービスマンの伊賀を筆頭に、元銀行員で資格マニアでソムリエ資格取得のためだけに働く山縣、元牛丼屋店長でお金に細かすぎる堤、今時の若い衆すぎる宇宙人並みの常識の無さの川合、腕はいいのに関わった店全てがつぶれる非常に縁起の悪いシェフの小澤。彼らがその彼ら全部を掛け合わせたよりもさらに常識が無くて絶大なパワーだけを持つオーナーの黒須が繰り出す「この世のものとも思われないレストランの危機」を乗り越えていくというだけのお話なのですが・・・・・。おもしろいのですよ!これが。

オープンパーティーにトイレの工事が間に合わなければ隣の「やすらぎ会館」のトイレでごまかし、だいたいオープンご案内はがきの日付を間違え、スタッフ全員が徹夜で準備しても己はマイペースでまかないを要求する。クイーン・オブ・ゴーイング・マイウェイ・黒須!その言葉には妙な説得力があり、見かねた経営コンサルタントが「お客様のために働かなければ」といえば堂々と「客のためになんか働いていない自分のために働いているのよ!!」と言い切る黒須。その胃袋は底無し!素晴らしいぞ黒須!

佐々木氏の絵は昔から繊細で緻密。なのに話はこの大ボケぶり。このギャップがたまらん。出てくる料理出てくる料理すべておいしそう。以前に見た佐々木氏の写真ではすごくスレンダーなお姐さんだったのに、大変な大飯喰らいとか。何から何まで期待を裏切って喜ばしてくれるすごいマンガ家さんです。

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コメント

父方のお祖父さまの話で、なぜか
浦安鉄筋家族の松五郎さんを思い出してしまいました。

佐々木さんの漫画、登場人物みんなが
妙~な魅力の持ち主なところがツボです。

父方も母方も明治生まれなんですが、「明治の男」ってがんこっちゅうより「変」じゃないですかね?そうそう妙ーな魅力がツボですよね。

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