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2006年2月28日 (火)

地鶏くんの蹴爪

Nec_0021_12 うちの動物の中で1,2を争う攻撃力を誇る地鶏くんの蹴爪です。怖いぞ―――!!

洋の東西を問わず雄鶏は魔除けの動物として珍重されてきました。さもあらんです。もーむちゃくちゃ気が強い。縄張り意識も強い。おのれのテリトリーに入ってきた動物は、雌鳥以外は容赦なく攻撃する。人間だろうが神だろうが悪魔だろうが斟酌しない。誰よりも早く夜の明けるのを察知して、1km半径に聞こえてこだまするトキの声をあげる。幽霊だろうが吸血鬼だろうが雄鶏が鳴くと退散する。あっぱれ。天岩戸の前で「常世の長鳴き鶏」が鳴くと「天照大神」がお出ましになる。まことにあっぱれ。

小学校の図書館に、「世界の怖い話」とか「日本の怖い話」とかいう子供向けのアンソロジーがあり、子供向けとはいえ文章がしっかりしていて怖かったです。しかし子供は怖い物好き、繰り返し繰り返し読みました。

その中のルーマニアだかブルガリアだか東欧の雄鶏のお話が印象的でしたね――。

・・・・・その国では「火曜日に卵から孵った黒い雄鶏は魔除けになる」という言い伝えがありました。ある農夫がその言い伝えを信じて火曜日生まれの黒い雄鶏をそれはそれは大切にしていました。ある日農夫は空から棺桶が自分の家の屋根に降ってくるのを見てしまいます。あまりの恐ろしさに口もきけないでいると、黒い雄鶏が「コケコッコ―――!!」と高らかに鳴きました。すると棺桶は跡形も無く消えました。さらにしばらくして、もう一度棺桶が降ってきました。このときも雄鶏が鳴いて棺桶は消えました。さて、農夫の女房は卵も産まない雄鶏を農夫が身も世も無く可愛がり大切にするのをいまいましく思っておりました。「朝からうるさいのに昼間まで鳴くなんて。」

3度目に黒い雄鶏がたいへんな勢いで昼日中に鳴き始めたとき、女房は「ええい、うるさい!」と木槌を雄鶏に投げつけて殺してしまいます。

「なんということを!!」農夫は恐れおののきながら女房に言いました。「お前は雄鶏と一緒に俺も殺した。もう屋根の上の棺桶は消えない・・・」

その夜から農夫は高熱を発して、三日後には死んでしまいました。

うちの地鶏くんもよくトキを告げてくれます。いかにも魔が除けてくれそうな景気のいい鳴き声です。元気になります。ちゅうか、否が応でも目が覚めるので早寝早起きになるっちゅうの。健康になるっちゅうの。

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