馬酔木の花
庭と畑を巡っていたら、西南の隅に馬酔木(アシビまたはアセビ)が咲いておりましたよ。
こ、こんなところに馬酔木の木があったなんて、今の今まで知らなかったよ!しかも結構でかい木なんである。ぐわあああ~ん。
改めて自分の観察力がザルであることにショックを受けたのでありました。そして、それほどだだっ広いわけでもない庭とか畑とかが、わたくしなんぞの感知しきれない、数え切れぬほどの生物達の営みによって成り立っているのであるなあ・・・と、さらに思い知らされましたですよ。「自宅半径100m圏内」のことしか書かない(書けない)この「椿屋敷農園」ですが、その「半径100m圏内」のことも、まだまだほとんど把握しきれてないんだなあ。世界って見ようによっては、とんでもなく奥が深く広いんだなあ、となんだか嬉しくなってきたのでした。
というところで馬酔木なのですが、この木はすでに「万葉集」にもバンバン出てくる、日本に古くからある木なのです。かわいい釣鐘型の白い花がたわわに垂れる、ぱっと見品のいい木なんですがね。
毒があるんですよ。アセボチンという。
馬酔木の名前の由来は、これの葉っぱを食べた馬が、酔っ払ったみたいに立てなくなってしまうところから来たんですわ。だから絶対口に入れちゃダメですよ。なんせ葉は殺虫剤に使うというぐらいのしろものですからね。
毒物ってのは案外身近に多いものです。庭や畑や山には、「これちょっとやばいんだよね~」(もちろん法に触れとるわけじゃありやせんぜ)というものが生えているものなのです。身を守るためにも知識は必要なのです。
そうだよねえ。
実は、観察力というのは持って生まれた才能の一種なのかもしれない。
『自然観察会』とかあるじゃないですか、そうすると老若男女の区別無く、参加者の観察力のある人・無い人の差って結構はっきりしているんですよね。どっちが良いとかでは無く。
場所のおもしろさに気がつかない人は、ひたすらスタスタ歩いて行っちゃう。
もう亡くなられた方なのですが、自然保護協会の事務局長をされていたA先生は、観察路のたった50mで2時間講義をしていた。これがおっもしろいの。植物・昆虫はもちろん、菌類とかね。
ドラマ『女王の教室』のマヤ先生のせりふじゃないけど、「人間は好奇心があるから生きているです!」と思います。
椿屋敷がそういうフィールドだとおもしろいなぁ。
アセビもきれいだね。園芸品種も多いから、もしかしたら先祖がえりの木かもね。
投稿: ppdemi | 2006年2月19日 (日) 14時45分
おお、ppdemiさん、まさしくそういうフィールドを目指しておるのですがね。まだまだ勉強全然足りません。50mで2時間話が持って、しかもむちゃおもろいっていいなあ。「どっちがいい、悪い」じゃなく「どっちが楽しいか」だよなあ、って。菌類とかのミクロから環境のマクロまで考え出すと、100m圏内ってむちゃくちゃ大きいよなあ。
投稿: 春 | 2006年2月19日 (日) 19時39分
アセビの毒成分について
文献では、アセボトキシン、アセボチンが記載されています。 アセチボンは入力の手違いかと---
投稿: 立ち寄り人 | 2006年9月25日 (月) 23時43分
ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り入力間違いでして。スパム防止措置が面倒くさいのにちゃんとコメントしてくださってありがとうございます。立ち寄り人さんまたどんどん立ち寄っていろいろご指導くださいませ。
投稿: 春 | 2006年9月26日 (火) 05時26分