椿屋敷のお客様

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2006年2月17日 (金)

レモン

Nec_0033_7 レモンの実がなりました。

柑橘類はほとんどがそうですが、暖かい地方でしか採れません。

ゲーテなどほとんど読んだことはないですが、ひとつだけ印象に残っているお話があります。「ウィルヘルム・マイスターの修行時代」というタイトルだったと思いますが(うろ覚え)、主人公のドイツ人ウィルヘルムがみなしごのイタリア人の少女ミニョンを、ドイツに引き取って育てるけれど、生粋の明るいイタリア少女だったミニョンが、ドイツの寒く暗い空の町で暮らすうちに、どんどん生気を失っていき、最後に故郷イタリアを思いながら肺病かなんかで死んでしまう・・・・・というお話じゃなかったかな(うろ覚え)。違うかも。

そういうストーリーはうろ覚えなのですが、強烈に印象に残ったのがレモン。少女ミニョンがイタリアを懐かしんでいつも歌う

「君よ知るや南の国 

 レモンの木は花咲き

 暗き林の中に黄金したたる実は

 枝もたわわに実り・・・」

という、すごく美しい歌があったのです。ロマンティックで印象的でしょう?

どうも、ほとんど北国といっていいドイツでは昔から南国イタリアへの憧れがあったらしいのです。開放的とか情熱的とか(おなごが綺麗で自由奔放とか)まあ、東京の人が沖縄とかにいだきそうなイメージが、伝統的に特にインテリ(ゲーテみたいな)層のなかにあった。少女ミニョンとレモンはその象徴である。・・・・・という、解説が乗ってましたね。余計なお世話にも、ウィルヘルムはイタリアでのびのび暮らしていたミニョンを、淑女教育のためだかなんだか知らないけれどわざわざドイツに引き取って、まるで植生の北限を越えたレモンの木が枯れるように、ミニョンを死なせてしまったわけで・・・・・。

そういうとこが、いかにもプロテスタントのキリスト教がやりそうなおせっかいだよなー――。余計なお世話というか傲慢というか。

「憧れだかなんだか知らないけれど、無理やりレモンの木を北国に植える真似なんかしないで、リンゴ植えとけや。」

と、世界の大文豪ゲーテの本をやっとかっと1冊だけ読んで、印象に残ったのがこれだけ。しかもうろ覚え。いかんなあ。今読み返したら、少しはましな読み方ができるのかな。

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レモンを参照しているブログ:

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  私の部屋の壁にも格言やことわざなど、先人達の残してくれた言葉の財産がいくつ [続きを読む]

コメント

神聖ローマ帝国がずーっとイタリアに野心持ってたのは、
「ぬくい所はエエなぁ」という思いもあったのでしょうか(笑)
レモンの肌がつるんとキレイなのに感動しました♪
この間某所で国産レモンを買ったら、カイガラムシがすごかったもので(^_^;)

ありがとうございます。「神聖ローマ帝国の野望」はイタリアには大迷惑だったでしょうね。「ぬくいし、ローマ以来の文明があって、おなごが綺麗で情熱的」。「ええなあ」とおもっとったんでしょうな。

え、この話“ギョエテ”作だったんですか!
タイトルは「君や知るよ南の國」だと思ってました。小学館の『少年少女世界文学名作全集』で読んだのですが、作者が誰だったかは失念しておりました。(そのくせ「メトロポリス」は“フリッツ・ラング”、「駱駝祥子」は“老舎”とか覚えてるんですよ。)
そんなにメジャーな話だったとは。知らんじゃったー!

念のため確認してみました(笑)。”ギョエテ”です。でも読んでません(笑)。そういえばメジャーなのに、「おれゲーテ読んだよ」という人にほとんど会った事がないなあ。

 はじめまして、見事においしそうな(すっぱそう~!)レモンですねぇ。農園も魅力ありますね。
 私もゲーテには興味はあっても、きちんと最後まで読んだことはありません。
 むしろ、格言集などで身近に感じるくらいですが、ブログでなんとか(?)ゲーテの記事を書いてみましたぁ、よかったら遊びにいらして下さいね~、ではまた!
 (TBさせて頂きました~)

ルーシーさん、
トラックバックありがとうございます。ぜひ遊びに参ります。ゲーテ・・・・・やっぱりちゃんと読むべきかな・・・・・。

完熟レモンはそのまま食べてもおいしいですよね。

そのまま食べてもおいしいですね。大好物のひとつです。

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