椿屋敷のお客様

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2006年3月24日 (金)

BASARA

Nec_0003_11大好きな漫画家の西原理恵子氏が出るというので、珍しくTVをつけてNHKの「スタジオパーク」を見てしまいました。西原氏は歯に衣着せぬ毒舌で有名、「大丈夫かよNHK」と思いましたが、 案の定いかにもお固そうな女子アナとまったく息があっていませんでした。ははははは。その中で西原氏が「ジェンダーフリーって嫌いなんですよ。女なら上手な泣き真似も愛想笑いも必要でしょ?そのほうが男に話するには、はるかに話が早いもの。30になっても40になってもそれをマスターしてない人いるけどね。」と、「うううむ!まったくだ!!」と膝を叩くような名言を吐いてくれましたが、まさしくその女子アナは「40になってもマスターしなさそうな」タイプ。笑わせていただきましたよ。

そのあとで日置の実家の倉庫のマンガを整理していたら「BASARA」(全27巻・田村由美著・小学館)がでてきました。1990年代の少女マンガでヒットしたこれはジェンダー(性的役割)についてかなり本質的なところをついていた作品でした。

・・・・・核戦争で破壊された未来の日本。王国の圧政に反逆する「運命の子供」それがタタラ。でも、実はタタラは男女の双子で兄がタタラで物語の最初に殺され、妹の更紗が兄の身代わりとなって、すべてを背負って革命軍を指揮する・・・・・というお話。ねー――。もうこれ基本設定がジェンダーを語るためにあるようなもんよ。

少女マンガ歴史もののお約束「ロミオとジュリエット的恋愛」もきちんと盛り込まれ、兄のタタラや家族を殺したカタキの赤の王こと朱理と、身分を隠したまま恋に落ち、日本全国を戦争したり恋愛したりしながら旅をするというドハデな設定なんでおます。

登場人物が主だったのでも50人を超える長編なので、ストーリーを説明はしないけれど、とにかく主人公の更紗がことあるごとに「あたしは女の子なのに・・・・・女の子なのに・・・・・」と悩みながら戦争しております。戦争している間は生理止まってるのに、朱理と会うと始まる。とてつもなく重い義務と女の生理の間で揺れ動く更紗。

この作品の1巻が1991年発行、最終27巻が2000年発行。更紗の悩みは、まさしく1990年代の働く女達が持っていた悩みだよな―――。と読み返していてつくづく思いましたね。

「男女雇用均等法」以降、女達は「なんであたしこんなに働かなきゃなんないんだろ?」と思いながら、徹夜したり出張したり責任とったりばりばり働かされとるわけですよ。生理休暇なんか言い出せないことなんてざらだと思うな。恋をすることだってよっぽど器用じゃなきゃ並行してできないよ。会社づとめしながら子供作るのも勇気いるし。

まじめであればあるほど苦しんだと思うなあ。ほんとはね、西原氏がいうように「あたし、できなあい」とか「お願い、あなただけがたよりなの・・・」とか涙の一つも流して上目遣いにハートマークを飛ばして男を使う技を身につけるべきなんだわ。そのほうがほんとに話は早いんだわ。(とかいう西原氏こそ別れた旦那を養っていたことは有名な話)。

「BASARA」の更紗、今読み返すと「あんたがんばりすぎ。ちった肩の力抜けや。」と思います。誰か男にさせたれや。革命とか戦争なんか。おなごがせんでもよかろそうなもんじゃろが。でも、それをさせかねないのが、「男女平等の思想」なんだよな。1990年代以降、現実の日本の社会もそうなっていると思います。だからわたくしもジェンダーフリーは嫌いです。

物語の展開はやはり早いし、おもしろくてうまいんだけどなあ。「独立戦争に勝って、好きな男手に入れて、革命の後は男の間に子供(これも男女の双子)作って世界中を貿易しながら旅する・・・」大団円なんだけど、「そげな、はめつけて気張らんでもよかろがよ。」と今、久々に読み返して思ってしまいましたね。

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コメント

私もジェンダーフリーは勘弁です~
黒のパンツスーツを着せられて混浴温泉に無理矢理入らされそうな感覚がどうしてもあるんですよ。
女がはめつけて気張った結果が、婦人科の病気なんかの形で跳ね返ってきているんじゃないかと・・・
もっとまったり楽しく生きられないかと思いますねぇ。

そうでしょ、そうでしょ?混浴もねえ、好きな男と二人っきり(はあと)、なら楽しいけどねえ。無理やりってとこがヤですねえ。まったり楽しくだよね。

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