椿屋敷のお客様

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2006年8月14日 (月)

盆提灯

Nec_0028_21 全国的にお盆なので、納屋からごそごそと盆提灯を出してきました。いつみてもド派手なデザインです。

まあ、これをめがけてご先祖サアが帰ってこられるそうなのでド派手なほうがいいのでしょう。「ご先祖サアは蛾の仲間かよ?」と思わんでもないですが。

うちのは何の変哲もない既製品で、中身は蝋燭じゃなくて電球です。もう亡くなったお知りあいは「オーダーメイドの家紋入り盆提灯セット」ってのを持っていて、「うおう!本当の贅沢ってこれね!!」とうなりましたね。本物の竹ひごに美濃和紙を張り、鷹の羽紋が入っていて、枠は漆塗り。中身は当然蝋燭で、それが和紙に燃え移らないように、お庭の柿の葉の生葉を二枚採ってきて蝋燭の下に互い違い十文字に敷いておく。たとえ夜中に蝋燭が燃え尽きても、水気の多い柿の葉で火は消えて提灯は燃えない。蝋燭の炎はゆらゆらと揺らぎ、つけっぱなしの電球とは醸し出す雰囲気がまるで違う。他の明かりを絶やして盆提灯だけになった暗闇は生き物のようで、「なるほどこれなら死んだ人も帰ってきとるわ。」と納得させられる怪しさ。

何事も舞台設定だよなあ。

「百物語」ってあるじゃないですか。「青い紙を張った行灯に、百の灯心を入れてその周りで百の怪しい物語をする。一つ物語が終わるごとに一つ灯心を消していく。九十九話までは何事もないが百話終えると必ず何事かの怪異が起こる。」ってあれ。

あれも「行灯」で「灯心」じゃなければいかんでしょう。そしてやはり「明り障子」で「畳」の部屋が望ましい。明り障子の外にはきしむ板張りの「縁側もしくは廊下」がなければ。

いまやこのすべてが普通の家で揃っている事は稀になりましたが、もしこれをすべてお持ちの方、やはり今のシーズンにやってみるべきでしょう。「百物語」。

やってみてください。そして百のお話の後に何が起こったか教えてください。あ、教えてくださるだけで結構。ご招待は謹んで辞退申し上げます。

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コメント

ほら、春さんの後ろ!
でた~~~~~!

スプーンさん、残暑お見舞い・・・・・

ぎゃあああああああ―――――!

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