ハチミツとクローバー・9巻
数えてみれば今までの人生で8回引越ししています。うううううむ。
もう二度としたくないです。わたくしに「フーテンの寅さん」は無理。だから農園を始めました。
「場を移る」事にはたいへんなパワーがいると骨身にしみました。実際に物を移す物理的ストレスはもちろん、がらりと変わる風景と人間関係、すべて精神的なストレスの原因となります。年をとればとるほど辛くなります。
というところで「ハチミツとクローバー・9巻」(集英社・羽海野チカ)です。
この傑作マンガは「キューティー(宝島社)」→「ヤングユー(集英社)」→「コーラス(集英社)」と2回も掲載誌が変わっています。原因は掲載誌の休刊。こんなにも素晴らしいマンガなのになぜ?出版界、ほんとうに不況らしいです。「ヤングユー」が休刊になったときはたまげました。女性誌で天下とってた雑誌なのに。もっとも「ハチミツとクローバー」が傑作であるからこそ、2回の変更にも耐えて生き延びることができたのでしょう。しかし著者の羽海野氏「かなりつらかった。特に2回目」と今回のあとがきで書いています。そりゃあつらかっただろうなあ。うむ、うむ。
9巻は急転直下といいましょうか「うおおお!!」というような大事件がはぐちゃんに起こります。いわく「終わりの始まりの幕を上げよう」。
同じ頃、もう一人の天才森田にも人生の一大事が。これまでもちょくちょく登場していた森田兄と森田が抱え続けていたナゾが判明。「なぜこの兄弟がこんなにも守銭奴になったか?」・・・・・・ううううむ、こういう答えだったのね。わたくし的には兄弟の回想シーンで出てくる森田父がたいそう好みです。こういう物作りのぶっ飛んだ天才、いいよねえ・・・・・(ホウッ)。前も書いたけれど「ハチミツとクローバー」のいいところは、この手の物作り野郎のカッコよさをなんのてらいもなく正面から描いててきたところ。今までなかったよ~。女性誌でこのタイプ(物作りの天才肌・職人肌)を主役クラスに持ってきたマンガ。でもこの父はその後登場しないけれど、どうなったの?まさか、亡くなったってことなの?ちょっとそれはいやだな。
なにせこの巻は「終わりの始まり」であるからして、今まで錯綜していたいろんな片思いがそれぞれなりの決着をつけようとしています。実はコーラス本誌ではこの間最終回を無事迎えてました(よかった。よかった。3度目はなかった)。年上のリカに片思いしていた真山の恋は実り、真山に片思いしていた山田さんは失恋したけれど真山の元上司野宮とくっつきそう。そして肝心かなめの森田と竹本から恋されていたはぐちゃんは・・・・・・?
これがまた「ええッ!?そうきたか!!!」とあっと驚く恋の顛末。
でも、教えねえ―――。コミックス派は次のコミックス(おそらく最終巻)が出るまで待ちましょう。
凄く感動的なラストでした。これだけは保証します。
そういや、この作品映画化されるんですってね。チラッと写真をみましたが花本先生役の堺雅人さんが「えええん、もーどうしたらいいの?」ってぐらい素敵です。
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