バッテリーⅢ
いまだ夢中の「バッテリー」(あさのあつこ著・教育画劇もしくは角川文庫)です。無事Ⅵまで借りることができ、もう何回も何回も読み返しています。
Ⅲでは、Ⅱで発覚した野球部リンチのために、練習することさえ禁止された新田東中野球部がありとあらゆる手を尽くして、校長に野球部活動再開を認めさせようというお話。
・・・・・・と、こうやってあらすじを書いてしまうと「へ?なに?それだけの話?」って思っちゃうでしょ?「田舎の中学の野球部が(サッカーですらないのよ)どれほどのもん?」って。
ふっふっふ。それが違うのよ。前の「バッテリー」のエントリーで書いたけど、まず主人公の巧と豪が曲者でしょ。その上に巻を追うごとにどんどん曲者が登場してくるのよ~!
Ⅲで目を引くのは新田東野球部の現キャプテン海音寺と、新キャプテンの野々村、そして隣の横手第二中の天才スラッガー門脇。
野球部再開の手段として顧問のオトムライが考えたのは、3年レギュラーと1,2年の紅白戦。それで校長にデモンストレーションして、隣の横手市の全国ベスト4の横手第二中と試合をする、という作戦。紅白戦では巧と豪のバッテリーが大活躍し、レギュラーに1,2年が勝つ。校長も認めかけた、そこに巧たちをリンチした当の展西たちが登場。オトムライとの確執が表面化し、再び野球部閉鎖の危機。
そこで海音寺の見せ場が!Ⅱで「内申書が怖いから学校には逆らえない」と自嘲していたキャプテンは、校長と直談判。「横手のほうから練習試合を申し込ませたら、試合を認めてくださいますね」と校長の言質をとる。海音寺の作戦は、横手の天才スラッガー門脇に巧の速球と勝負させて、それを餌に試合を申し込ませるというもの・・・・・
海音寺がね~。またいいのよ~。
前の巻ではほんの脇役だった彼がこの巻から大活躍!「さすがキャプテン!」とうなるようなまとめ役としての貫禄。校長との交渉シーンなんか惚れ惚れするような策士ぶり。かっこいいぞ―――!!中学生とは思えません。惚れるね。
また、この巻から登場する松井を思わせる天才スラッガー門脇。こいつも中学生とは思えん。この門脇が巧の速球に夢中になり、それを軸にⅣではさらに大きな展開になっていく。すごいよ~。「こうきたか~」と唸るから。
とりあえず読んでみてください。夢中になること請け合いです。
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