椿屋敷のお客様

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2006年11月22日 (水)

バッテリーⅤ

Nec_0025_25 バッテリー(あさのあつこ著・教育画劇もしくは角川文庫)もあますところあと二巻。最初に読んだときは「あああ、もうあと二巻しかない。読み終わりたくない・・・・・でも、早く、早く続きが知りたい」とジレンマに陥りました。

このⅤでは巧と豪のバッテリーより、温厚だが鋭い突込みを入れる海音寺キャプテンと、天才スラッガー門脇と、その傍で「影の策士」であり続けた瑞垣、の三者の関係がクローズアップされてきます。

特に瑞垣の屈折ぶりがおもしろい!

門脇とは幼馴染で、誰よりも早く門脇が天才であることを見抜き、こと野球というフィールドにおいて余人では彼に追いつけないこと、「努力では超えられないものがある」ことを齢15にして骨身に沁みている男。もう、門脇のことを「愛しているんだか憎んでいるんだかわからない」状態にまで煮詰まっています。

瑞垣の不幸はここまで追い詰められながらも、それを表に出せないプライドがあり、しかも出さずともやっていけるだけの頭の良さがある、というところでしょう。

学校や大人たちの干渉を受けずに、自分たちの手で開催する「新田東と横手の試合」の企画の実現に海音寺と瑞垣は奔走します。頭の回転のいい瑞垣は、こういう社会性とか企画力とかに長けていて抜群に要領がいい。「自分の本心を表に出さずに要領だけで物事をクリアーする」ことに慣れきっていた彼に、一見天然ボケっぽい海音寺が要所要所で鋭い突込みを入れる。ここのところの呼吸がなんともいえずおもしろい。

結局、海音寺やそしてⅤのラスト近辺でお遊びで対峙した巧と豪のバッテリーによって、とうとう策士瑞垣の鉄壁のガードがほころび本心が垣間見えるのです。

「いとしい姫さん(巧)をめった打ちにして、マウンドにひざまづかせて泣かせてやる」と、いい続けた彼の本音は?

この口から生まれたような瑞垣と、舌鋒でいい勝負をするイガグリクリノスケこと吉貞もいい味出してます。

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