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2006年12月10日 (日)

木霊

Nec_0020_25 お宮さんには樹齢170年、樹高22mあまり、幹周り4mあまりというムクノキがあり、県の保護樹に指定されています。

この木と同じぐらいの高さの20本ぐらいの杉木立のおかげで、小さなお宮さんの割にはなかなかの雰囲気です。

「大木には木霊が宿り、切ると祟りをなす」と昔から言いますが、まあその通りです。やたらと大きな木を切るべきではありません。

なぜなら「切ることによる周囲の環境への影響」が大きすぎるから。

木は樹高と同じぐらいの深さまで根を伸ばし、枝が張っているところまで根を張っています。このムクノキなら地下22m、直径22m円の地中に根を張り巡らしていることになります。

170年もの間、その一帯の地上には枝を張り葉を茂らせ、地中には根を張り巡らしてきた木を切って枯らしてしまったら、木が蓄えてきた水分、呼吸して吸収してきた二酸化炭素と排出してきた酸素のバランス、共生してきた動物、植物、菌類などのとのバランス、全部崩れてしまうのです。

その影響は今のところ人為じゃ計算しきれないでしょう?昔の人はそういう「人智の及ばない大木の持つ影響力」を「木霊」と呼んだのです。賢明な対処法であると思います。

もう亡くなった明治生まれのお知り合いが、お庭の大木の枝を必ず盛塩をして酒を供えてから落としてらっしゃいました。「こうしないと怪我をする」と。さもありなん。昔の人の知恵だよなあ。

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コメント

この木の写真、不思議な気配がありますね。怖い。
木霊のせいかも。

ほんと、木霊がいそうな木なんですよ。お宮さんの境内だし誰も怖くて手出しできません(笑)。

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