発酵の神様
どこの国の食文化も「発酵」という現象のコントロールに心を砕いてきました。なんせどこの国も酒をもっとるしな。酒ある限り発酵あり。パンも味噌もヨーグルトもチーズも魚醤もなれずしも肉饅も、これみなすべて初めに発酵ありき。
乳酸菌発酵であれ、酵母菌発酵であれ、発酵は目に見えぬ微生物がなせる業。どこの国の文化でもそれを「神」と呼んでいます。「神のみしるし」としかいいようがないですよね。「その年の酒やチーズや味噌のできで吉凶を占う」これまたよくある話。「いつもの年と同じ材料、同じ時期、同じ道具、同じ人間」が作ってもできの良し悪しが著しく違ったりする。そこに神をみたとしてもまったく不思議ではありません。
よってワインはデュオニッソスに捧げられ、酒蔵には立派な神棚があって杜氏が拍手を打ち、チャングムは味噌のできで国を占うわけです。発酵をコントロールできる人間は、一種の魔術を操る人間に等しい。
その魔法をもっと上手に使えるようになりたいのです。
とりあえず「もやしもん」から読んでいる有様ではありますが。道は遠し。
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