彼岸に彼岸花
この間春の彼岸だったように思うのですが、はや秋の彼岸なのであります。まさに光陰矢のごとし。
秋の彼岸には毎年毎年律儀にどこからともなく彼岸花が芽生えてきて、赤や黄色の花を咲かせます。必ず名前どおり「彼岸」。不思議ですよねえ。
彼岸以外の季節にも墓やら田んぼの土手やら畦やらに、球根が埋まっているのだけれど、なにせ地面の中のことなので見えない。それが季節が来ると時限爆弾のスイッチが入ったかのごとく葉っぱも何もなしにニョキニョキと生えてきて、ど派手な赤や黄色の花。そして季節が終わると何の未練もなしにしゅるしゅる萎んで跡形もなくなって「また来年の秋の彼岸に」。
花を季節に咲かせる仕組みには、大雑把に分けて「温度変化」で咲く仕組みと「光度変化」で咲く仕組みとがありますが、彼岸花は光の変化で咲くのかな?
地面の中で「昼がずっと長かったけれど、そろそろ夜と同じ時間になったきたわ」と判断して、ニョキニョキのびる。太陽と地球の公転が今のままである以上、彼岸花は秋の彼岸に花をつけるんだろうな。
人間の力の及ばない大きな力を、この時期に感じさせてくれる花なのであります。
コメント