椿屋敷のお客様

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2007年11月23日 (金)

ヒカルの碁

1123 「ヒカルの碁」(全23巻・原作ほったゆみ/マンガ尾畑健/監修梅沢由香里二段・集英社)でございます。

今となっては昔日の夢となりましたが、少年ジャンプが日本を席巻した時期がありました。四大新聞よりも発行部数があり、電車に乗るとサラリーマンも学生も「男という男がみんなジャンプを読んでいる」というありさま。はっきりいって何かの宗教みたいで薄気味が悪かった。いわば「友情・努力・勝利」というお題目を唱える新興宗教みたいなものだと思ってました。

そのジャンプの栄耀栄華に翳りが出てきたころに、「ヒカルの碁」が始まりました(初版は1999年)。このとき初めて「ジャンプというのはなんと懐の広いマンガ雑誌だ」と見直しましたね。なんせ囲碁ですよ!将棋マンガは数々あれど、囲碁マンガってのはほんとに見たことがありませんでした。それを少年誌でやる!しかもあの少年ジャンプ!

案の定連載時は浮きまくってましたけど。それこそがこのマンガが傑作であることの証。今も昔もジャンプが切り捨ててきた「少年の成長」とか「それを促す人間関係」とかを実に丁寧に描いてくれてます。

「ちょっと待て。ジャンプの標語は『友情』だ。人間関係は描いてるだろ!」

違うでしょ。ジャンプが描いているのは「ライバル関係」だけ。しかもどんどん強力になるライバルを登場させるだけ。同世代で同じジャンルに携わるしかも同性(ま、男同士って事ね)との関係を描くことには実に熱心だけど、世の中ってのはガキンチョの男だけでできてるもんじゃないでしょ?じじいもいればおばさんもいる、あかんぼもいればおっさんもいるの。生きてればそういう人たちと必ず何らかの関わりを持たなきゃならなくなってくるんだって。

「ヒカルの碁」じゃ、主人公の進藤ヒカルの家族とか、ライバル搭矢アキラの家族とか実に丁寧に描かれてました。あと囲碁に関係のない学友とか、もちろん囲碁界に関わる大人も子供もプロもアマも、主人公が関わりそうな人間関係をなんと細やかに描いていることでしょう。ヒカルが対局しているシーンはもちろん迫力なんだけれど、なんてことない日常のシーンでも絶対に飽きない。すごいことですよ!これは。

ほったゆみ氏のネームによって小畑健氏の華麗にして繊細な絵がとても生かされてました。このタッグを組ませた編集のセンスはすばらしい。落日のジャンプが生み出した傑作であると思います。

あ、登場人物の中で好きなのは、「中学生のクセに袴と扇子、将棋も碁もやる勝負師加賀」とか、「いつでも白いスーツです。こだわる男の緒方七段」とか、「軽いのりだけれど押さえるところは押さえてるよ、囲碁からパソコンから何でもござれ中国囲碁界の兄貴・楊梅」とかです。

もちろん「囲碁界のプリンス搭矢アキラ」も、ジャンプのライバル達の中では飛びぬけて毛並みがよさそうで大好き。

このマンガを読んで「碁を習いてええ!」と思いましたが、いまだ果たせず。いつかやりたい「右上スミ小目」。

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コメント

こんばんは、忙しすぎてエントリー見落としました
すんません、合間にコメントします

通称ヒカゴは本当におもしろい漫画ですね
ハナシを格段に面白くしているのは幽霊だとおもいます
また美麗な画力も魅力でしょう
原作と作画が調和した本因坊秀作wですね
ですから
僕にとってこの幽霊が成仏したときから
だんだんマイテンション下がっちゃたカモなんです(笑)

「ヒカ碁」には教えられること多かったです(碁ぢゃないとこで)
伊角さん留学編の「感情のコントロールなんて技術だ。そんなもん」ちゅーとこが印象に残ってます。
あと2巻で全巻揃うんですが・・・コミック買いで読んでいたので、最後の最後を見たくないというのがあるんですよ~。
急な連載終了とのウワサがありましたが、もうヒカルたちの再登場は望めないのでしょうかね。

>このマンガを読んで「碁を習いてええ!」と思いましたが

右に同じく。
こういう「競技モノ」は、わからない人に説明しすぎて流れが滞ってしまうのと、わかる人からするとあまりに非現実的で読む気がしないものが良くありますが、この作品は非常にうまいバランスだったのを覚えています。

実際この漫画を読んでいても碁のルールはほとんどわかりませんが、碁打ちの“熱”はビシビシ伝わってきますよね。
これぞ娯楽作品と思います。

ちなみに小畑さんは「THE MOMOTAROH」でにわのさんのアシ時代から見ていて、『CYBORGじいちゃんG』も全巻持っていました。特にファンと言うわけでもないですけど。

ぶれいずさん、
確かに佐為はいいキャラでしたね~~。佐為がいなかったら囲碁をまったく知らない読者(わたしだ)は、ついていけなかったですよ。佐為が成仏したときに物語の流れは変わりました。

麦の花さん、
そう!わたしもあの「感情のコントロールなんて技術だ」は目からうろこのセリフでしたよ。印象的でした。どうだろう、もう再開はないんじゃないでしょうか?引き際は見事だったと思います。

708さん、
おお、やはりそう思われましたか!そうなんですよ、この作品は「自分もやりたい」と思わせるバランスがすごくよかったです。噂では作品中の棋譜は実在するもので、プロが見ても間違いがないものらしいです。碁を覚えたらまた違った楽しみ方ができるのだとか。

こんにちは。
ヒカ碁はアニメをみてはまりました。
原作は手付かずなのですが、碁の世界がちょっとだけ近づいた感じがしました。
ちなみにネットで碁がちょっとだけ習えます。↓
(「問題チェック」とかは実際に石が置けます)
http://www7.igosoft.co.jp/html/kyositu/nyumon/top_nyu.htm

p.s.別件でメールを送ったのでお手数ですが、ご確認くださいm(__)m

おお!にょろさん、ありがとうございます!メールチェックいたしました。お返事遅れてすみません。もう少しお待ちくださいませ。

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