椿屋敷のお客様

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2007年12月15日 (土)

お天気お姉さん

1215 世紀の怪作「お天気お姉さん」(全6巻・安達哲著・講談社)です。

なんというかねえ、これに関しちゃ山本直樹氏と一緒で毀誉褒貶が激しいの。「エロい」とか「グロい」とか。「さくらの唄」という安達氏のもうひとつの傑作があるけれど「成人図書指定」を受けて中学生が買えなくなってやんの。あ~~あ。

エログロの何が悪い。マンガなんだからさあ。

1巻初版が1992年でバブル直後の日本の世相を反映しててボディコンとかジュリアナとか今となっては歴史的な遺物になっちゃった代物もでてくるけれど、本質はこれ。「戦う女・仲代桂子」。

一介の「お天気お姉さん」に過ぎないけいこが、その身ひとつで、女と、男と、会社と、社会と、世間と、常識と、ありとあらゆるものと戦うお話なんじゃん(やりかたはむちゃくちゃだけど:笑)。

その誇りとプライドがあまりにもあっけらかんと突き抜けてパワフルなので(マスターベーションの仕方にしても:大爆)ついつい見過ごしがちだけど、けいこの戦いの影には多大な犠牲と努力と孤独があるわけよ。たいしたもんじゃん。ただただ非常識な女を描いてるわけでなく、そこんとこきっちり描いてくれてるんだから、これを傑作といわずして何と呼ぼう。まあ、怪作には間違いがないけどね。

TV放送で脱糞してけいこの奴隷となる超マゾ女河合みちことか、けいことどっこいどっこいの野蛮さを危ういバランスで知性派キャスターの仮面で覆い隠している島森かおりとか、高校時代の同級生でけいこに片思いし続け、みちこ以上の奴隷となる山岸とか、脇役のキャラも強烈無比。おもしろいぞ~~~!!

偏見を持たずにとにかく読んでみるべし。

あ、「さくらの唄」もお勧めです。人生の光と影をこれほど強烈に描いた作品も珍しいぞーー。

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