椿屋敷のお客様

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2008年1月26日 (土)

天使な小生意気

125 「探し物をやめたとき~~♪見つかることもよくある話で♪」と井上湯水も歌っていますが、まさしくその通り!

「天使な小生意気」(全20巻・西森博之著・小学館)は、とてもとても大好きなマンガなのですが、ダンボールの山の中のどこに行ったかわからず、「またブックマーケットかどっかで買わにゃなるまいか」とあきらめかけてたところだったですよ。それが、「サイコメトラー・EIJI」の下にあるのを見つけ出したときは、うれしくて飛び上がりましたです。

あ、そういやこのマンガそのものが「魔法の本を探す話」だったなあ(笑)。いかにもおまけみたいな設定だけど。この作者の西森氏って前作「今日から俺は」もそうだったけど、設定じゃないの。設定そのものはホントそこらにありそうな、まあ。平凡な設定を持ってくるんだけれど、キャラの立て方がむちゃくちゃうまいの。性格の描き分けがものすごく上手で、鋭いところをついてくるの。人間関係の基本はまず男と女。「男とは何か、女とは何か」ものすごく上手に納得のいく形で表現してくれるの。しかもギャグで。すごいよ~~~!!!

「男の子だったのに魔法で女の中の女にされてしまった」恵ちゃん。もうむちゃくちゃかわいい。これほんと。男からみても女からみてもこんなかわいいキャラそういないと思います(絵的にも)。こんなキャラを男性作家が少年誌で連載してたんだよな。世の中って変わるよな。それもなんだかんだいって決算したらいいほうに変わってるんじゃないのかな。いや、いいほうに変えていかなきゃ、だよな。と、そこまで思わせてくれるのこのマンガは。キャラ全員成長していくし。

恵をとりまくキャラがそれぞれいい。すごくいい。恵の無二の親友美木。おしとやかそうでおとなしそうな外見に反して中身はクール。そして深い洞察力。動の恵に対して静。対称的ですばらしい。

恵に惚れまくってる源造。源造のハチャメチャパワーは少年誌じゃよくあるパターンなんだけど、でもね、この源造が一筋縄じゃいかないのは「料理が得意」なのよ。恵と「弁当作り勝負」して悠々勝っちゃうぐらい。ここがね~~。西森氏のすごいとこだと思うんだけどな。

源造のライバル、「武士を目指して育てられた」小林。武芸の達人で「お内裏様みたい」と評されるほどのハンサム。でもギャグは苦手。女性の扱いもへた。初々しくてさ、いいわよお。

自称「変態」、他称も「変態」。運動神経ゼロのちびっ子だけど気はむちゃくちゃ強い「俺は濃いいオタクだ」の安田。実はわたくしの一番のお気に入りだったりします。安田のやることなすこと笑えます。本人真剣なだけに。

普通の人、藤木。もちろんこのメンバーに揉まれているうちにどんどん普通じゃなくなってきてますが(笑)。こういう普通感覚をさらりと出してくるところがこの作者のすごさなんだよなあ。

とにかくこれも読んでみてください!笑って笑って、ときどきほろりとして、いろいろ考えさせてくれる、とってもおもしろくてキュートなマンガなのですよ。

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コメント

しまったこれにはコメントしなくては。
西森さんの漫画は、スバラシーですよね。
これぞ娯楽漫画だと。
もちろん、得るものと言うかそういう良さもあるんですけど、単純におもしろいと言うのが本当に素晴らしい。
設定のおもしろさよりもキャラの描きこみで惹きつけられてしまうのもさすがです。

終わってほしくなかったけど、あのヘンで終わってくれたから作品としてのまとまりもあり、うーん。この辺はあんまり書いてもなんですから、また読もう。

うんうん、西森さんのマンガは大好きです。
難しいことはいわずおもしろがらせて、でも深いところをついてくるんです。
708さんのマンガのコメントいつも鋭く深くて、ちょっとドキドキします。
いいかげんなこと書けないや。
いつかお会いすることができたら、そこらあたりをお話したいです。

この漫画の主人公は藤木ですね。
無個性、無自覚、無発想の普通の普通。
彼が自分なりに努力する所が泣けます。
後の登場人物はある意味超人揃いですからねぇ。
藤木がいなかったら、陳腐な漫画で終わったでしょう。
お茶濁すも大好きでした。

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