ヤブ椿
椿には「ヤブ椿系列とユキ椿系列がある」と言われてまして、つまりヤブ椿は椿の原種なんであります。
原種が持つシンプルさと力強さを持った、大好きな花です。
日本列島の南半分の照葉樹林地帯に昔から自生していて、その葉の厚さと黒さが照葉樹林の暗さに一役買ってきました。鬱蒼と椿が群生している場所ってありますよね。なにか神が宿りそうな。花の時期には特に神秘的であります。
昔下宿していたお宅の裏が結構古い神社で、その裏山がヤブ椿の群生でした。花の時期にはほんとに「何かが宿っていそうな」雰囲気ばっちりで「なかなかロマンティックだわい」とほくそ笑んでいました。が、しかし最近の暑い夏のせいで、初夏にチャドクガが大発生して木が真っ白になるぐらい幼虫が鈴なりになってしまい、背筋がぞーっと寒くなりました。
「昔の人なら『天変地異、政変の前触れ』とでも言いそうだな」と当時思ったのを覚えています。
いまやチャドクガの大発生は珍しくもなんともなくなってしまいました。でも、今年は大発生してほしくないけどなあ。
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