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2008年5月10日 (土)

小澤征悦の西郷吉之助

Nec_0001 小澤征悦って何であんな鹿児島弁がうまいんでしょう?

いや大河ドラマ「篤姫」で西郷吉之助をやってるんですけどね。「日本語で一番難しい方言」鹿児島弁を、そらもうすばらしいイントネーションで喋ってるんですよ。

おかげでTVもろくろく見ないのに、何年ぶりかで大河ドラマを見るようになってしまいました。去年のガクト謙信すら見なかったのに。

小澤征悦の履歴を見ても、今まで鹿児島とは縁がないようです。これはもう恐ろしく耳がいいのだと考える以外ないですね。ご存知のように指揮者「世界の小澤」の息子だし。

「親の七光り」はもちろんあるんでしょうけど、彼の場合この耳こそが親譲りの財産でしょう。それほど鹿児島弁に隙が無い。かてて加えて大柄な体つきといい、いかにも朴訥そうな風貌といい、今まで見たいろんな西郷吉之助のなかでもっともわたくしの西郷吉之助のイメージに近いです。西郷ってこんな感じだったと思います。

風貌は大柄なのに性格は女性より繊細。篤姫の嫁入り道具を揃えるのに、教育係の幾島(なんと松坂慶子。江戸を斬っていたおてんば姫が今や教育係。時の流れを感じるぜ)からチンガラッにがられて(むちゃくちゃ叱られて)、必死に誠実に女物の道具を勉強して揃えてくるところなんか、「ああ西郷ってこんな人だったろうな」と思いました。さらにその必死で揃えたお道具が安政の大地震で全部パーになり、も一度必死で揃えてくるところなんか「ああ、ますます西郷」と思いましたですよ。すばらしい。

「篤姫」の話そのものは、「末期状態の江戸幕府中枢にスパイを送り込むために、英明君主島津斉彬(高橋英樹)自らが陣頭指揮を執って薩摩藩の総力をもって女工作員を養成する話」です。今回いよいよ送り込むんですけどね。大奥に。薩摩人気質として「女スパイを養成し潜入させる」といういかにも陰湿な目的であっても、まるでオリンピックに送る金メダル候補を養成するがごとく、からりあっさりあっけらかんとスポーツのようにこなしちゃうんですね。体質的に暗くなれない。そういうところがうまく描けている話です。

あと松坂慶子もだけれど、幕府一の穏健良識派の阿部正弘を草刈正雄が演じているのも「『汚れた英雄』が大人になったものよ」とつくづくおかしかったり。

忘れるところだった!大好きな堺雅人が篤姫の夫将軍家定役なの。はじけたバカ殿っぷりがさすがの演技力。好きだわあ。

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