ヴィンランド・サガ6巻
というわけで「貴種の男の魅力」考察にはまっているわたくしでございます。前日のエントリー家定様も当時の日本隋一の貴公子でありながら不幸にして孤独。その哀しみが女心をがっしり鷲掴みにするのであります。
そしてもう一人。わたくしの心を鷲掴みにした貴種の男。それは今注目のマンガ「ヴィンランド・サガ」6巻(幸村誠著・講談社)のクヌート王子。
このマンガ最初からおもしろかったけれど、ここにきて俄然加速度がついてきました。なんせ「クヌート覚醒!!」とてもいうべき劇的変化がこの巻で!
際限なく殺しあうヴァイキング共、トルフィン、アシェラッド、トルケルたちが三つ巴になって奪い合う、デンマーク王位継承権を持つ第二王子クヌート。「これって歴史上有名なクヌート大王の事?にしちゃお子ちゃま~」って感じの、美形だけれどお人形さんみたいな役立たずだったのに!
それがいきなり「そなた達の戦いに 生と死に 意味を与えてやろう」「それが王の務めだ」・・・・・・・・んで、毛皮のマントを「バサッ」。
か・・・・・・・っこいい!!!
やっぱり彼がクヌート大王となるらしいです。デンマーク王スヴェンを父に持ちながら疎まれ、死なすために戦場に送り込まれた不幸。さらにはお目付け役だった朴訥なるラグナルの死によって、とことん孤独に。そのショックで繭の中の蛹のような眠りに落ちて、目覚めたときには強大なる力持つ王の誕生。
そのたたずまいが、気品が、意志と知恵の力が、荒くれの獣ヴァイキング共を素手で制圧していきます。圧巻だったのが戦神「のっぽのトルケル」を何の武器も暴力もなしに従わせ従士としてしまうシーン。凄かったなあ。
あのアシェラッドが、アルトリウス(アーサー王)の末裔にして不羈の魂を持つ知恵者のアシェラッドまでクヌートに剣を奉げて忠誠を誓ってしまったよ。んでもって「王の裁定」で血みどろの争いをしていたトルフィン、アシェラッド、トルケルをひっくるめて家来にしちゃったよ。最強のお供達を引き連れてオヤジ王に喧嘩を売りに行くのですと。
どうなるの?これ?クヌートはイングランドに統一国家を作るはずだけれど、このメンバーを使って国づくりを始めるの?むちゃくちゃおもしろそう!!
でも彼の心を占めるのは、人には背負いきれないほどの孤独と悲しみ。たまらん。またもや鷲掴みにされてしまった。「貴種の男」の魅力に。
コメント