ニシロウおじさんの伝説
父方の曽祖父のニシロウおじさんは、スイカが好きで好きで大好きで、家業(網屋)もそこそこにスイカ作りに精出して、挙句の果てにはスイカの食べすぎで亡くなったそうです。疫痢だったとか。
なにせ4人奥さんがいた人なので、そこら中に、いったいどういうつながりなのかわからない親戚のばあさんやじいさんがワンサカいて「ニシロウおじさんは腐ったスイカぎい食べやってケ死んみゃった」などと子供のわたくしに教えてくれたものでした。子供に何を言うとかまったく。
自分が産まれる30年も前の曽祖父の死因など、聞いたそのときからおとぎ噺。続柄不明のばあさん、じいさんも今となってはほとんどが鬼籍に入りました。本当にあった話なのか、本当にあの人たちが語ったのか、おそらく法事の席であったろうあの場は本当にあったことなのか。すべてはわたくしの記憶の中だけのものとなりつつあります。でもこうしてブログに書いたりなんかしてるわけでして。
伝説ってのはこうやって作られるものなのね。たとえそれが大マヌケなスイカ食いのご先祖サアのお話であっても。
血筋なのでしょうか、わたくしも「この世で一番好きな食べ物」にスイカを上げるほどスイカ好きなんであります。たぶん、うちの血筋には夏場に膀胱と腎臓の機能が落ち気味になる遺伝子があるんじゃないでしょうか。よく夏場に「身が絞ったり」します。スイカは知る人ぞ知る膀胱と腎臓の妙薬、あの啜っても啜ってもつきない果汁を本能的に体が求めるのでしょう。
今年も盆が過ぎ、スイカも終わりが近いです。でもある限りは食べるぞ、スイカ。命までかける気は無いけどね。
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