今年の夏に果たすべきミッション:ヤギ運動場の中の雑木を切り倒す。
と、思い定めまして、毎日手鋸で4,5本づつ切り倒してます。山桑やグミなんかです。桑の木は繊維が多くて粘りがあり、すぐ鋸の目が詰まって往生します。
それ以上に往生するのはその木に絡まっている蔓です。何本も複雑に絡み合い、木と木を繋ぎ合わせもつれさせて、1本切っただけじゃ蔓のせいで宙に浮いてしまうのです。それで周りを全部切って塊で倒さないとならない。これがなんともたいへんなの。朝早くか日暮れ前にしかしないけれど、頭のてっぺんから足先まで汗びっしょり。
もっとも切り倒してしまえば木や蔓はあっという間にヤギが食べつくしてくれるので、見る間にきれいになるなあ。4mぐらいの木を4,5本も切ればぽっかり空間が開いて空が見えてなんとも言えずすっきり。その気持ちよさがこの難儀な労働を続けている理由のひとつかな。もっとも、切り倒した木の始末まではぐうたらなわたくしにはとてもしきれねえ。喰うてくれるヤギ様はまっこち神様仏様。ありがたいこっちゃ。
南国鹿児島の緑は獰猛で、一夏放置しておくとどんな耕地も一発で荒地と化します。二夏放置すれば木が生えだしてジャングルです。うっとおしいけれどこれほどの回復力を持つ自然は、今となってはとてもありがたいことだよなあ。
うちは「鹿児島市のチベット」ともいうべき山の中にあります。ド田舎です。
そしてそういうところのご他聞にもれず「昔は共同体がしっかりしていて町内会の力が強かった」ところです。まあ、それでどういうわけか今年の班の婦人班長とやらの役職が回ってきたんですよ。
「やれやれ、これもご近所づきあいか」と、いやいや班長会に出席したわけですわ。
驚きましたね。いきなり会のテーマが「婦人会の存続をうちきるにはどうすればいいか?」ですわ。やはりみんなとことんイヤでいらっしゃると見える。だってそうだよなあ。今ほとんどの家庭が共働きでしょ?仕事して、家のことして、PTAとか行って、その上町内会、さらに婦人会なんて、まともに付き合ってたら身が持たんわな。
しかも高齢化でどんどん人数が減っていて、婦人会費(なんと「ミシン代」という名目だ。何のミシン?)だけではまともな予算が組めないほどだそうな。それじゃあなあ。存続の意味が無いよなあ。うちの班もなんか何十年も意味なく町内の家を古い浴衣(なんか、昔踊りに使ってたらしい。もう、着れる代物ではない)がたらい回しにされてるし。その年の婦人班長が決まると、その一式が回ってくるわけよ。なんだかなあ。
「婦人会の存続を打ち切るための会合だったら、必ずでるわ!」と皆さん口々におっしゃるという嫌われぶり。そのエキサイトぶりがおもしろく、内心「これは結構おもしろい場かも」と思ったことでした。
そこで、別のおもしろい話も聞きました。
うちの前の谷の下のほうの集落の公民館であったんだけど、そこは車で5分ぐるっと遠回りしなきゃならない。昔は近道があったらしい。今は人も通れない昼なお薄暗い藪になっている裏山は(ちょっと入るのがためらわれるぐらい)、以前は家も道もあって、下ればここの公民館に直通で来れたのですと。あの恐ろしい藪の中には廃屋が何軒か朽ちかけながらあるのですと。ううううむ。ちょっと怖いかも。でも興味もあるぞ。怖いもの見たさ。
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