椿屋敷のお客様

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2005年6月 9日 (木)

南薩ナンパ事情の民俗学的考察

京都にいた頃、大阪女の友人が血相変えて聞いてきたことがある。「春ちゃん!これほんま?!」それは、ちょっと見お堅い論文のようであったが、中身はとんでもなかった。つまり、一昔前の我が鹿児島南薩地方の恋愛事情を、(明治のことだ)民俗学的に論文にしたものであった。いわく、この地方では婚前のセックスも、婚後のセックスもぜーんぜんタブーではなかったのである。鹿児島のご多分に漏れず当時の南薩地方は農村もいいところであったが、年に何回か祭りの時に「歌垣」という催しがあり、はないちもんめのごとく男列と女列に別れ、その双方から代わる代わる歌い手がでて歌い、お互いその歌が気に入ったら、その場で暗がりに消えて、何でもいいことをしてよろしかったのである。その場では、相手の身分も年も亭主持ちだろうが女房持ちだろうがいっさい問わないという、暗黙の了解があったんだそうな。どうよ。「ほんまなんか?これ?春ちゃんやったことあるんか?ええなあー。」と言われてもねえ。それ百年以上も前の話で・・・・もごもご。その時思いましたよ。私らは昔の農村を誤解している。農村って真っ黒になって、なーんも楽しいことなくて、制限ばっかりで、お堅い道徳に縛られて・・・・って。冗談じゃない、この論文が本当なら、少なくとも「ナンパ」ってことに関しちゃ、百年前の方が豊かじゃんよ。今の鹿児島でナンパできるとこって?天文館?それともコンビニの前?ラブホテルすら、わけわからん反対するおやじやおばさんうじゃうじゃいるのに。当時はその、おやじや、おばさんも当然のようにその「歌垣」に参加権があるわけよ。
そりゃうるさいことはいわんわなあ。椿屋敷農園の「農園は健康的とかエコロジックとかいう以前に、エロティックである。」と言う主張はここからもきております。Nec_0015

コメント

はじめまして。
南薩に住んどります。
「歌垣」は初めて聞きました。
「夜ばい」はよくあったと聞きますが。
うちらへんも農村です。
尾籠な話になると、じいちゃんばあちゃんの声に張りが出て、目が輝きます。
いいですよね~。

「歌垣」といえば万葉の時代から続いていた習慣ですね。

 鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津(もはきつ)の その津の上に 率(あども)ひて
 未通女壮士(をとめをとこ)の 行き集い かがう嬥歌(かがひ)に
 人妻に 吾も交らむ わが妻に 他(ひと)も言(こと)問へ
 この山を 領(うしは)く神の 昔より 禁(いさ)めぬ行事(わざ)ぞ
 今日のみは めぐしもな見そ 言も咎(とが)むな (9・1759)
【人妻に 吾も交らむ わが妻に 他(ひと)も言(こと)問へ】これですよ、これ!
男女未既婚無関係によろしいコトしたい放題。
でもねー、現代のようなロリ痴漢SM快楽殺人な倒錯男もいなければ
女の権利だジェンダーフリーだと発狂してるヒステリー女も皆無なわけでして。
どっちが幸せなのかなー。

 紫は灰さすものぞ海石榴市の八十の衢に逢へる児や誰 (12・3101)
 たらちねの母が呼ぶ名を申さめど路行き人を誰と知りてか (12・3102)
おりょ?椿がナンパのネタに使われてますよ。
なるほど、椿屋敷とは健康的なエロスに所縁ある場所かもしれませんなぁ。

そうなんすよね――。ロり変態とSM快楽殺人、ヒステリー。どれもあんまりシアワセそうじゃないんですよね――。すごい過密状況に育てられたマウスとかブロイラーが起こしそうな反応だなあ・・・・・。と。ああ、こわ。

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