ツタの紅葉
「別れろ切れろは芸者のときに言う言葉、今のわたしにはいっそ死ねと・・・」
「お蔦・主税の湯島天神」、「金色夜叉」の中の一節らしいですが、原典を読んだことはありません。学生服・学帽・マント・高下駄の兄ちゃん主税が、着物のねえさんお蔦を砂浜で蹴飛ばしているシーンだけ知っています。いつも「それドメバじゃないの?」とか、「なんでそんな優男蹴り返さねえんだ?お蔦。着物だからキックできんのか?」とか「いっそ下駄を取り上げてはったおせ!」とか思ってしまう現代っ子なもので、食指が動かないんです。しかしこうまで片鱗が残っているということは、何か感動させるようなところのあるストーリーなのでしょうか?ご存知の方、最後まで読んだことのある方、よろしければお教えください。
なんにせよツタを建物に絡ませるのはよくありません。確実に建物が傷みます。「ツタの絡ま~るチャペールで祈り―をささーげた日~♪」という歌もありますが、たとえ煉瓦造りのチャペルでも絡ませすぎると煉瓦の接合部や煉瓦そのものにツタの根が入り込んで最終的には崩壊してしまいます。なよなよしているようでたいへんしぶとく生命力の強い植物なのです。
「金色夜叉のお蔦」も実はそんな女性なの?騙されたり泣かされたりした被害者は主税のほう?そういうお話明治にはいかにもありさげですけれど。
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