欄間
よくおうかがいする数え年96歳の元海軍少尉のお宅は、築100年近い島津家ゆかりのお屋敷です。総屋久杉作りで、もちろん江戸間、柱はあくまで太く、飾り窓の格子は細かくて品がよい。なにより欄間が元武家の屋敷らしく弓の形を形どっていて赤と黒の漆で塗り分けてあり、背景の緑の砂壁とよくマッチしています。かっこいいなあ・・・、といつも拝見しているのです。
最近の家は欄間どころか本襖や障子や畳すらない家も多いのですが、まあ、田舎ものなので畳がいいし、欄間があったほうが落ち着きます。今の家にも、一応祖父ご自慢だった欄間があります。杉の一枚板に古松に遊ぶ鶴の図が彫抜いてあります。これはこれで結構好きなんですよね~。何より「松に鶴」というのがめでたい!
疲れてふっと見上げたときに目に入る位置にあります。落ち着くなあ――。
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