椿「岩根絞」
濃紅地に白斑が入る八重で、筒しべ、大輪のたいへん華やかで派手な花です。3月~4月が花期です。葉は卵~広楕円、中形、肉厚。樹形は横張り性。
10年か20年か前でしょうか、この「岩根絞」が椿の中で大流行したときがありました。まさしく「猫も杓子も岩根絞」状態だったのです。苗も木も売り尽くされ掘り尽くされた熱狂ぶりだったのを覚えています。
―――移植に弱い木なのにねえ。
確かにねえ。いい花だと思うんだけどねえ。なんだか「熱狂」というのとは違う世界のような気がするんです。資本主義における「流行」というのはほんとに恐ろしいです。「これだ!!」と喰いついたもののすべてを根こそぎ食らい尽くさねば気が済まないのが資本主義の神のようです。「札束でほおをはたく」ってやつか。怖いなあ~。
別に新種だったわけでもなく、1859年には「椿伊呂波名寄色附」という本にすでに載っている、クラッシックな銘花椿なのですが。
流行とは恐しいです。
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