椿屋敷のお客様

« 糸瓜 | メイン | 今年のバジル »

2006年8月24日 (木)

半島を出よ

Nec_0022_22日本のヴィジュアル作品の中で、もっとも害毒を撒き散らしているのは、「どらえもん」と「水戸黄門」と「スタジオ・ジブリの作品」であると思います。(あああ、とうとう言っちゃった)

「どらえもん」・・・・・「助けて~どらえもん!」といいさえすれば何でも尻拭いしてくれる存在があると錯覚させる。マザコン養成アニメ

「水戸黄門」・・・・・正式な裁判も何もなしに、一回につき何十人も人殺しをする(正確には殺人教唆。「助さん格さん殺っておしまいなさい!」)危険なジジイを日本国中に野放し。リンチを正当化するファシスト養成番組。

「スタジオ・ジブリ作品」・・・・・ロリコンのロリコンによるロリコンのためのアニメ。

というわけで、これらをまったく好きませんが、「放送するのを止めろ!」とは言いませんよ。どんな意見であれ発言の権利があるのが民主主義社会ですから。片腹痛いのはどうやらこの3つが多数派らしいところですが。

こんな危険なものを平気で地上波放送してるくせに、ときどき「えっ?どうしてこれが検閲にひっかかるの?」てのが問題視されたりしてます。記憶に新しいのが「バトル・ロワイアル」(高見広春著・深作欣司監督)でした。国会まで巻き込んでのR指定(他にやることなかったんか?)。ちゃんと本読んだの?映画観たの?生と死について極限まで考えさせる傑作だったのに。

作家の村上龍氏も毀誉褒貶の激しい人で、芥川賞の「限りなく透明に近いブルー」からそらもうむちゃくちゃ叩かれてました。(いまや審査員になちゃったんだなあ。)この「半島を出よ」(幻冬社)も誉める人は誉めるけど、けなす人は読みもしないうちからケチョンケチョン。

・・・・・2011年、福岡を北朝鮮の軍隊が占領する。為すすべもない日本政府は何の方策もないまま九州を封鎖。

もう紹介文のこの一文だけでだめな人はだめらしい。

「読まずともわかる!結局憲法改正、再軍備が必要だといいたいのであろう。いたずらに北朝鮮への敵視を煽ってまで話題性が欲しいのか?この手の右傾化が進む昨今の日本は・・・・・」

そんなこと一つも書いてないぞ。とりあえずまず読んでから言えってば。

だいたい村上龍氏は「国の基幹は経済であって、経済の破綻した国はどんな軍隊を持っていても国際的な信用を得られない。」って主義の人で(まったくもって賛成だわ)、繰り返しそのことを作品の中で言っているのに。(「希望の国のエクソダス」もそうだったな)

「半島を出よ」では、北朝鮮軍と日本政府と博多市民と、それから社会に適応できない少年犯罪者グループ、それぞれに属する人々からの視点で書かれていて、なかなかの読み応え。どちらかというと昔の村上龍氏からすると「丸くなったなあ~」ってほどですが。

ネタばれするので言えないけれど、ラストも現実に九州に住むものとして「ん!だよだよ!そうでなくっちゃ~!」という、たいへん納得の行く解決をしてくれております。繰り返しますが「再軍備のサの字」も出てこないぞ。

九州人なら読んだほうがよかど。それにしても、こんなにまともなことを書いているのに、しかももう結構いい年なのに、なんで村上龍ってこんなに誤解されるかねえ。おなじ村上でも春樹とは大違い。そこらあたりが九州男らしい不器用さで、おかしくなりましたですよ。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/190372/6491219

半島を出よを参照しているブログ:

» ジブリ専用携帯画像サイト[★ジブリ缶★] (ジブリ専用携帯画像サイト[★ジブリ缶★])
ジブリの携帯向け画像を配信しております★ジブリ缶★でございます。トトロの画像だけで150枚!!無料です!是非一度いらしてくださいね♪ [続きを読む]

コメント

コメントを投稿