椿屋敷のお客様

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2006年9月26日 (火)

ドングリ

Nec_0021_22 裏山ではもうドングリが落ちています。

あまり人通りの無い山道の事、拾う人もなく、ただバラバラと散っています。

もっともこの手のナッツ類はかなり栄養価が高いので、山に住む動物だの鳥だのが、「もったいない、もったいない」と食べているはずですが。

ヨーロッパの中世の物語でよく出てくるのが、「―――秋になったので、森に豚を放した。豚はドングリを腹いっぱいに食べて、冬が来る前に肥え太る。――――」という内容です。これを読むたびにヨダレがでました。「ドングリを腹いっぱいに食べて肥え太った豚の味。」どんなにおいしかろう、と思いません?だいたいこの「豚を森に放す話」の後に続くのが「豚を殺して冬ごもりの準備をする話」なんですもの。豚肉好きのわたくしにはたまりません。

ヨーロッパの厳しい冬を耐えるためには、余計な家畜は負担になります。だから種豚を残して、あとの豚は殺して頭の先からしっぽの先まで無駄なく食べる事ができるようにしたそうな。春まで人間の食料が不足しないように、秋に殺した豚の肉にさまざまな保存法を施します。硝酸塩をすりこんでヒッコリーや桜の枝を燃やす煙で燻したならベーコン。中身を掃除した小腸の中に、いろんなスパイスを混ぜ込んだ端肉を詰めたのがソーセージ。大人たちは秋の恵みに感謝しながら「鳴き声以外、無駄な箇所は無い」豚を(血ですらソーセージにしてしまう)大忙しで調理していき、子供達は豚のしっぽとか耳とかをもらって焚き火で炙っておやつ代わりに食べている。

こういう記述を読むにつけ「うまそ――――。」とヨダレが垂れますですよ。

いまどきヨーロッパ中世を「暗黒時代」という歴史家はいないと思いますが、真の肉食民族であるヨーロッパ中世人の豚の利用ぶり、うならされます。豚舎に閉じ込めて飼料で育てた豚より、森のドングリを食べて太った豚のほうが、なんだか聞くだにおいしそうじゃありませんか?

などと思っていたら、我が鹿児島が誇る六白黒豚の本格的な育て方は、野山で放し飼いにして、質の良いカライモ(サツマイモ)をお腹いっぱい食べさせることだそうな。

ううううむ。なるほど。うまいカライモは十三里「栗より(九里四里)うまい」といわれるホクホク高栄養。ドングリにも似てるのかもしれん。洋の東西を問わず「おいしい豚の育て方」というのは共通しているのかも。

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