椿屋敷のお客様

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2007年5月27日 (日)

ガーデニア

Nec_0002 早春の沈丁花、初夏のクチナシ、初秋のキンモクセイ。勝手に「日本の庭季節の香り御三家」と名づけております。どれもありふれた庭木なのにじつによい香り。

ひょいと通りかかると芳香が漂い、「あ、クチナシだ」と気がつきます。黄昏であたりが薄暗くなっていても、もはや汗ばむ陽気となってきた昼間の名残の熱い空気の中で、白い花弁がぼーっと浮かんで「あ、やっぱりクチナシだった。」と確認を迫るのです。

クチナシは挿し木で容易について、安価だったせいか1980年代から90年代にかけての公共工事でよく使われました。公団とか市営住宅とかの集合住宅の玄関口によく植えられてますね。ごみ置き場のそばとかさ。低潅木とはいえ10年も20年もたったクチナシの木がこんもりと大きく茂みを作ってごみ置き場を隠していたりします。今時分なら匂いも紛れるだろうな。その集合住宅の庭を設計した人間の意図以上の働きをしてると思うな。苗木一本あたりの単価はせいぜい¥300~¥500だったはず。そのときの設計屋や植木屋はひょっとしたらもう無いかもしれない(この不景気その可能性は高い)。ただ買い叩かれたクチナシの木だけがごみ置き場のそばで営々と立ち続け、香り高い花を毎年つけているというわけ。

安かろうが月並みだろうが、いいものはいいのです。長く続くならばその価値はさらにあがります。

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