椿屋敷のお客様

« キク科の季節 | メイン | 柿酢の作り方 »

2007年11月10日 (土)

蒼路の旅人

1110 というわけで、今や「守り人シリーズ」に夢中。

それにしても今までの人生でそれなりに結構な量の本やマンガを読んできたつもりなのですが、まだ読まぬ本、まだ触れぬマンガというのが尽きることがありません。はっと気がつけば今までその名も知らなかった作者やシリーズにいつの間にか夢中になっています。

なんというありがたいことでしょう!母国語日本語でこれほどの量の作品を読めることの幸せ。そして本やマンガを流通させ、読ますことができる日本という国家の平和の幸せ。いいよなあ。

願わくば、下らぬ言論統制などで表現の自由が縛られることのなきよう!ヴァイオレンスだろうがエロスだろうが本やマンガやゲームである以上統制かけてどうする?というのが持論です。「リアリティとバーチャルリアリティの区別がつかない」やつは、木の股を見ても強姦しようとするだろうし、トンカチを持てば人の頭を殴ろうとするでしょう。表現を統制するのはまったく無駄な作業です。

などという能書きはさておいて、「蒼路の旅人」(上橋菜穂子著・偕成社)。「守り人シリーズ」の番外編とも言うべき「旅人シリーズ」は、わたくしひいきのチャグム皇子が主人公のシリーズ。第一作の「精霊の守り人」では、ひ弱なガキンチョだったチャグム皇子、一作ごとにどんどん成長し、どんどんいい男への道を歩いてます。

ンもおおおおン、たまらん!

「蒼路の旅人」はこのシリーズの起承転結の転部分の作品のようで、ここで「守り人シリーズ」の世界観が一気に広がり、かつ繋がって、壮大な国家論まで飛び出してきてます。新ヨゴ国の皇太子として母国の大日照りを救ったチャグムは、この巻で国家間闘争に巻き込まれて、むちゃくちゃ人間臭い政治交渉と対応を迫られております。苦労の耐えんことじゃのう。

一見ひ弱な皇太子でありながら要所要所で見せる対応は見事の一言。それでも弱小国の悲しさ、大国タルシュの虜となって母国へ護送される途中で、チャグムが仕掛けるあっと驚く大逆転の秘策とは?

わくわくするぞ~!どきどきするぞ~!チャグムのあまりのカッコよさと少年らしい危うさにくらくらするぞ~!

そして佐竹美保氏の挿絵がいい。本編シリーズの挿絵よりこっちのほうがわたしは好きだ。

とにかくお勧めの「守り人シリーズ」、ぜひぜひ皆様もお読みくだされ。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.synapse-blog.jp/t/trackback/190372/10636499

蒼路の旅人を参照しているブログ:

» 私の少年期~二章その三~ (生きる足跡)
ダンスをやっている仲間は、下は高校一年生の女の子から、上は35歳の社会人の方まで幅広く20人ほどいました。 その中でリーダー格であった人が、私より5歳年上の方で面倒見の良く男気に溢れた人でした。 そのリーダーは測量の仕事をしている人でしたが、ダンスに対する情熱も半端なものではなく、どんなに仕事が長引いて夜遅くても毎日の練習を欠かさない人でした。 私はその人に憧れていて、早く追いつきたいと思っていました。 そのリーダーと数人の地元ダンサーからなるダンスチームは有名で、長崎県のハウス... [続きを読む]

コメント

コメントを投稿