椿屋敷のお客様

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2008年7月24日 (木)

ナイチンゲールの沈黙

0717まだ子供の頃、一冊の本、一枚の絵、一本の映画、なんでも感動してしまうと「もうあたしの一生でこれ以上感動することはない。もう心は動かない」などと浅はかにも浸ったりしてました。あたかも「初恋の人が永遠の人。もうこれほど誰かを愛せない」とガキンチョが初めての恋に酔うように。

現実には人生それほど捨てたものでもなく、年を経たら経た分だけ、そのときにふさわしい「夢中」が必ず待ってるものでして。ありがたいよなあホント。その気になれば絶対に退屈することはありません。生きてる限り心もまた動くものなのです。

なんちゅうて、最近は海堂尊にはまってるもんで気取ってみました。「田口・白鳥シリーズ」第二弾「ナイチンゲールの沈黙」(宝島社)でございます。

第二弾にもかかわらず大傑作!

も~~~、ありとあらゆる要素が詰まっててジャンルわけ不能。あいかわらず架空都市・桜宮市の大学病院が舞台なんだけれど、大学病院って・・・・・・・・ホントにこんなに愉快なとこなの?

愚痴外来の田口絶好調!ってことはあいかわらずぬらぬらヒョンヒョンの昼行灯ってことですけどね。それにもまして白鳥絶好調!つまりゴキブリぶりに磨きがかかってるってことで。プラス今回むちゃくちゃ登場人物増えました。それもどいつもこいつもキャラ立ちまくりでカッコいいやつばっかり!それにしても海堂氏、いったいどういう交友関係をお持ちなのでしょう?前作でも思いましたが、こんなやつらばっかり身の回りにいたら胃が持ちません。

ざっとあげてくだけでも、強烈アル中の伝説の歌手水落冴子でしょ、元医学部のその変態マネージャー城崎でしょ、田口の同期がまた強烈、放射線科の世界的権威で「がんがんトンネル魔人」島津でしょ(あたしの大好き職人タイプ)、救急救命部の将軍速水でしょ(からりと笑うカッコいい!)、看護師がさらに強烈「眠り猫にして千里眼」猫田師長(こんな看護師長ありなの?いつも居眠りしてるのよ。でも多士済々の今回の話の中でも一番好き)、おまわりさんも出てくるよ警察庁キャリアの「デジタルハウンドドッグ」加納でしょ(これまたむちゃくちゃカッコいい)、加納に振り回されてお遍路に飛ばされそうなその部下玉村でしょ、これに加えて鮮烈な不良少年(しかも両目摘出の手術を受けなきゃいけない)瑞人でしょ、白血病の美しくクールな白雪姫由紀でしょ・・・・・・・・他にも他にもたくさんでてくるのに、キャラが明快に書き分けられてお話が論理的に進められてるので、ものすごくわかりやすくおもしろいの!

そしてここんとこが肝心なんだけれど、海堂氏って基本がギャグマスターでユーモラスなんだわ。深刻なシーンにもそこかしこにお笑いを散らばめずにはおれんらしい。笑えるんだってば。

特に小児科の子供たちに人気という設定の架空シリーズ「ハイパーマン・バッカス」の話にはバカ受け!なんでこんな下らんこと思いつくかなあ!しかもこれほどシリアスな設定の深刻な話なのにこんな贅沢なお笑いを乗っけることができるかなあ?

大笑いして・・・・・・考え込んで・・・・・・・最後には感動の嵐。

すごいよ~~このシリーズ。これまた絶対お勧め。本好きはぜひこれを読むべし。

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コメント

あたな!かたすぎます!と、思いきや、だいたんで~楽しい方ですね!狸の傷跡は、いかがですか~治りましたか~
なかつる~母です

およよよ!ようこそいらっしゃいました。ついに開通しましたか!タヌキの傷跡治りました。マヌケでした。

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