椿屋敷のお客様

樹木 Feed

2006年8月12日 (土)

カイヅカイブキ

Nec_0025_211960年代から80年代にかけて、「ブロック塀にカイヅカイブキの生垣」が大流行しました。どこの家並みにもこれ。ブロック塀が「下品だ」と大嫌いだったので、その憎しみがカイヅカイブキにも向けられてあまり好きな木ではありませんでした。

月日が流れて存外耐用年数のないコンクリートが風化して(ブロック塀の倒壊事故、新幹線トンネルの崩落事故、あれ全部高度成長期のコンクリートの耐用年数が切れたってこと。30年持たないんだよ。特に海砂を使ったコンクリートは)、ブロック塀は姿を消しましたがカイヅカイブキの生垣はときどき残ってます。中には30~50年たって4~5mの高さの生垣になっているところもあり、そうなると「火焔樹」ともいわれるカッコいい樹形も映えて、「おお?!」と目をひく堂々たる風格。

「そう捨てたものでもない木だったんだなあ・・・・・」と今は思います。

実はうちの敷地の北側の生垣が、その手の何十年もたつカイヅカイブキの生垣なのですが、いかんせんいまいち手入れが・・・・・。遠目にはカッコいいのですが・・・・・。

鹿児島ではカイヅカイブキをお盆や彼岸の墓花の緑に使います。よってときどきうちのカイヅカの生垣に目を留めた業者さんが、「カイヅカの枝を採らせてください。」とよくいらっしゃいます。その方たちがハシゴで上のほうの枝を採ってくれるので(上のほうがまっすぐなのだ)そのときに剪定してもらってそのまま。

やっぱたまには自分でも剪定すっか・・・・・。

2006年6月 1日 (木)

ハゼノキ

Nec_0003_15 さて、自然界に毒物は満ち満ちておるわけであります。空気中に普通に含まれている酸素や窒素とて過剰に吸収すればそれは立派な毒物。今の空気組成のバランスが少しでも崩れれば、一瞬で生態系はがらりと変わるでしょう。

「地球に優しい」というキャッチコピーをどこのどなたが考えたのか存じませんが、「なんちゅう傲慢かつのんきな言葉よ」と思いますね。宇宙も地球も生物にとって「優しく」なぞありません。ただ「あるようにある」だけで、その相が角度をほんのちょっと変えれば、簡単に今の生命ピラミッドは消滅します。「優しく」とは優位な立場のものが下位の立場にする行為で、「地球」と「人類(それもここ半世紀足らず)」を比較してどちらが優位か言葉にするまでもないでしょう。

などと、くやしまぎれなことをなぜ言っているかというと、チャドクガにやられたところがかなり痒くてまいっておるのです。うちの環境が環境だけに毎年やられるのですが、今年ははやばやとやられたなあ。その上にハゼノキにうっかり触ってしまい、ハゼ負けができてしまいました。ううううう。これもひどいことに。まったく自然界に毒物は満ち満ちております。油断もすきもありません。

ハゼは良く実がなるし、その上それを小鳥が良く食べて、ウンコにしてくれて、発芽率もむちゃくちゃいい。「なんか知らないけれどいつの間にかハゼノキが生えちゃった―――」ということはよくあります。切り倒したいけれど、今この梅雨時期はぜっったいに触ってはいけない時期。樹液がよくあがっているからです。切り倒すべきは葉が落ちて素っ裸になり水が上がってこない時期。

今年の冬もうっかり切り倒し損ねたハゼノキが畑のあちこちに・・・・・。

2006年3月26日 (日)

築山のヒトッバ

Nec_0022_10 築山にもともとはすごくカッコよく作ってあったはずのヒトッバ(イヌマキ)の大木がやんかぶった(ボーボーとなった)まま立っています。「手入れしなくちゃ~手入れしなくちゃ~」と思いながら、ハシゴに登るのがたいへんなのでついつい億劫になったままどんどんやんかぶっていきます。

ヒトッバ(イヌマキ)は鹿児島では松代わりに庭園に良く使います。ちゅうか鹿児島の獰猛な夏の緑に対峙できるのは、弱いところのある松より断然ヒトッバのほうでしょう。磯の仙巌園や知覧の武家屋敷で見事に作ってあるヒトッバをごらんになったことのある方は多いはず。クスやクロガネモチとならんで鹿児島にふさわしい好きな木なんですよ。というならちゃんと手入れしたれや!ちゅうの。

2006年3月 5日 (日)

リンゴの芽

Nec_0031_10 リンゴの芽が出てきました。

おそらく品種は「ふじ」か「おうりん」のはずですが・・・。

つまりこういうことです。人間がリンゴを食べて(いつも「ふじ」か「おうりん」)その皮やら種を含んだ芯やらをそのまま地鶏くんご一家にやっておるわけです。また、鶏リンゴの皮や芯が大好き。

その地鶏くんたちのウンコが、餌入れや水入れにぼたぼたくっついてるので、外の水場で洗い流して横のカラーが生えている一画に「肥料代わりじゃ」とかいって流しております。ほぼ毎日。リンゴの芽はそのカラーの根元から出てきたのです。どうやら地鶏くんたちのウンコの中にリンゴの種がそのまま入っていたようです。そして春になって気温が上がってきたので発芽した、と。

―――――ううううむ。

まことにまことにありがたいことであります。生命の中にある「めざまし時計」というのはすごいものですな。そして、このあらゆる生物を巻き込んで動く巨大なる自然というからくりの巧妙さよ。

以前にも言いましたが、果実の種というのはリンゴにしろミカンにしろ種の周りの果肉に発芽阻害物質が含まれているため、なかなかそのままでは発芽しにくいのです。プロが大量に実生しようとするときには、種をアルカリで洗った上に酸で洗わばならず、なかなかの手間がかかるといいます。

ところが自然界では「鳥類」が存在します。鳥には歯がありませんが「砂嚢(さのう)」という強力な消化器官を持っています。この砂嚢の筋肉でもみにもまれた種は、少しも発芽機能を損なうことなく発芽物質(要するに果肉だ。鳥にとってはごちそう)を取り除いてもらえます。そのままの形で鳥のウンコとして出てきて、発芽したら今度はいいかげんにこなれた鳥のウンコを栄養として育つという段取りです。

なんという巧妙なシステムでしょう!

素晴らしい!!

2006年2月10日 (金)

連翹(れんぎょう)の苗

Nec_0020_9 去年お知りあいのお庭から枝をいただいてきた連翹が、挿し木で畑の隅に根付いています。

ふっふっふっふ・・・・・。こういうのがたまらんのです。タダでもらってきた枝が、いつの間にか根付き株別れすらしておる。ローコストの極致!

以前にも書きましたが、匂いのいい沈丁花、あふれる黄色い花の連翹、こぼれる白の雪柳は「春の大好き花潅木御三家」です。野心は門から築山までのアプローチに竹垣をさしまわし、門の傍に沈丁花、春はあふれる連翹と雪柳の黄と白、秋は色とりどりの薫り高き小菊の菊籬、これですよこれ。

春の新芽が出てヒゲ根が出てくる前に、移植せねば。

2006年2月 7日 (火)

アンズの移植

Nec_0010_7 実はこの2月から3月は樹木の移植シーズンなのです。春の新芽が出るまでが勝負時。特に落葉樹は葉を落として休眠状態なので、今のうちに移植しておいて添え竹で固定しておけば、春の新芽シーズンに同時に新根がでてくるので、ほぼ100%の確率でつきます。

アンズを2本去年の春の木市で買ってきて植えておいたのですが、どうもこのままでは備後大梅にひっかかりそうだったので、今のうちにもう少し距離を離した場所に植え替えました。アンズ=アプリコット、ジャムにお菓子にたいへん活用方法の多い果物です。3年目ぐらいから成るらしいので、もう、来年が楽しみで楽しみで。

畑にある程度の間隔を置いて落葉樹を植えることには、実はもう一つメリットがあります。つまり夏に落葉樹は葉を繁らせて緑のドームを作り、鹿児島の夏の炎熱から背の低い野菜類を守ってくれるのです。かといって秋になれば葉は落ちるので、冬の日照が乏しい時期には丸裸なので冬野菜にはよく日が当たる。うまい工夫だなあ・・・

それを聞いて以来、落葉樹でおいしい実がなる木を買い集めては植えています。梅、アンズ、暖地桜桃、カリン、スモモ、ザクロ・・・ラインナップを見るだけでもおいしそうでしょ?

2006年1月13日 (金)

猫柳

Nec_0035_7 今朝の最低気温は12℃。3月下旬並。予想最高気温は18℃。二,三日前の最低気温が-2℃だったのに、ふり幅ありすぎですな。まあ、暖かいと助かるけれど。

と、気がつけば猫柳が芽を出しておりました。ふわふわの白い羽毛で覆われた猫柳の芽は見るだけで暖かそう。昔々のヨーロッパの貴婦人が、手の防寒のために「マフ」とかいうふわふわの毛皮の中に手を突っ込んでおったそうで・・・(「ベルバラ」とかアンデルセンの挿絵とかでよく見ました)。ふわふわぶりがあれに似てると思います。

猫柳はこの早春の発芽シーズン以外はどうってことない目立たない木なんですけどね。この時期だけやたら目立ちますね。誰だって派手に目立つ時期が、必ず巡ってくるってことでしょうか?

2006年1月 8日 (日)

沈丁花の苗

Nec_0022_3 沈丁花、雪柳、レンギョウは「春咲き潅木三大好き好き」です。うちの庭に沈丁花だけが無かったので、産業道路沿いのビッグⅡに寄って蕾つきの苗を購入しました。

沈丁花だ~い好きなんですよ。まだまだ寒い時期に一足早く花をつけて、しかもいい匂い。朝の霜が溶けようとして、暖かく緩んだ空気に漂ってくるあの香りほど、春が近いことを知らせてくれるものはないですね。どこに植えようかな。やっぱり玄関近くかな。これが根付けばあとは挿し木で増やそう。

今日は門松を片付けました。焚いてしまうお宅もあるでしょうが、火も怖いしうちは畑に戻します。菊用の8号鉢は来年も使うのでとっておきますが、あとは全部自然に帰るものばかり。こういうとこがね――。門松の好きなところなんだよなあ。

2005年12月27日 (火)

Nec_0023_2 榊です。

神様にお供えする木です。

どうってことないよくある常緑樹なのに、神前にお供えされると妙に威厳があって見えるので、不思議です。

お正月にやってくる年神様と屋敷神様のために、お飾りしなければなりません。

今日は日置の家に掃除に行くので、あちらにも持っていこうと思います。

2005年12月16日 (金)

師走の剪定

Nec_0042_5 気がつけば、そこかしこのお庭をもってらっしゃるおうちに、ハシゴが立っています。「年内の内に」お庭の手入れをする庭師さんが入ってるのです

このシーズン、植木屋、庭師は大忙しなのです。なんといっても「季節限定のお手入れ」なので。あんまり秋口早くに手入れしても、暖かい鹿児島のこと、年末にはまた木がヤンカブって(ボーボーになって)いることでしょう。だから11月~12月に鋏を入れるしかありません。かつてはその年末の手入れの一環として、門松を作るのも庭師さんの仕事でした。

というわけで、うちの庭もぼちぼちちんちんと手の届く範囲の木から暇を見つけては剪定しています。ツツジ、皐月、ツゲ、ヒトツバ、・・・。大物はちょっと無理なので小物から。竹垣も年内にもうちょっと作りたいなあ。

お天気が悪いとなかなか進みません(風邪ひくのやだし)。この寒さが憎いです。来週は晴れて暖かくなって欲しいな。