スイートスプリングの苗を植えました。いわゆるオレンジです。八朔×温州みかんでできた品種との事。それにしても「甘い春」とはよい名前です。
早く大きくなっていっぱい実をつけてね。
お菓子好きなので、お菓子に使う果物類をせっせと庭に植えています。柑橘類もえーーっと、レモン、柚子、カボス(この3種はもう木が大きくなってよく実をつけてくれます)、夏みかん、それに今回種無し金柑プチマルとこのスイートスプリングを植えました。オレンジを上に並べて焼くオレンジケーキは見栄えがして大好きだし、タルトも好きです。
庭先でできた果実で作る季節のお菓子。この上ない贅沢だと思うのです。そういう状況に持っていくためには、とにかく植えないとな。
いったい自分が上を向いてるんだか下を向いてるんだか、あるいは斜め右を向いてるんだか左後方を向いてるんだかさっぱりわからなくなるほどバタバタした年末が開けて新年。
「いかんいかん、畑がおろそかになっては」と大慌てで見回る昨今なのでございます。
はっと気がつけば梅干用に何本も植えてある南高梅の木につぼみがついているではありませんか!!
人間が(要するにわたしだ)、雑事に追われてわけがわからなくなっていても、けなげに次の季節の準備をおさおさ怠りなくはじめている・・・・・
なんと豊かで惜しみないことでしょう。
畑が、山が、そばにあるということはその逐一を自分が望むときに望むだけ観察することができるということなのです。これをありがたいと言わずしてなんとしましょう。
どうも雄木らしく銀杏をつけません。惜しい。銀杏大好きなので、毎年「今年こそガールフレンドを植えてやらねば」と思いながら忘れてます。むなしく散り行く枯葉。ごめんよ。
植物の中でもイチョウはかなり古い一族で、中生代の石炭紀だかジュラ紀だかの木とあまり変わらないんじゃなかったかな?(←ここらあたりうろ覚え)。 メタセコイアには負けるらしいけれど・・・・・。言われてみればなんとなく無骨でクラシックな作りの木です。「まだ人類の存在しない爬虫類が地球上を闊歩した時代」の植物群に混じっていても確かに違和感はないでしょう。
幾多の環境の激変にもめげず生き残ってきた種。そういうものに憧れるのです。
お宮さんには樹齢170年、樹高22mあまり、幹周り4mあまりというムクノキがあり、県の保護樹に指定されています。
この木と同じぐらいの高さの20本ぐらいの杉木立のおかげで、小さなお宮さんの割にはなかなかの雰囲気です。
「大木には木霊が宿り、切ると祟りをなす」と昔から言いますが、まあその通りです。やたらと大きな木を切るべきではありません。
なぜなら「切ることによる周囲の環境への影響」が大きすぎるから。
木は樹高と同じぐらいの深さまで根を伸ばし、枝が張っているところまで根を張っています。このムクノキなら地下22m、直径22m円の地中に根を張り巡らしていることになります。
170年もの間、その一帯の地上には枝を張り葉を茂らせ、地中には根を張り巡らしてきた木を切って枯らしてしまったら、木が蓄えてきた水分、呼吸して吸収してきた二酸化炭素と排出してきた酸素のバランス、共生してきた動物、植物、菌類などのとのバランス、全部崩れてしまうのです。
その影響は今のところ人為じゃ計算しきれないでしょう?昔の人はそういう「人智の及ばない大木の持つ影響力」を「木霊」と呼んだのです。賢明な対処法であると思います。
もう亡くなった明治生まれのお知り合いが、お庭の大木の枝を必ず盛塩をして酒を供えてから落としてらっしゃいました。「こうしないと怪我をする」と。さもありなん。昔の人の知恵だよなあ。
ハゼだの漆だのといった木に触ると、たいがいの人はハゼ負けや漆負けをしますね。山歩きをしてると、特に夏場はちょっと見他の木と区別がつかなくて厄介です。いつの間にかうっかり触っていて親指の股にぶくぶく水泡ができていることもあります。
あれ、痛痒くて、見た目も気持ち悪くて、どうにもしょうがないですよね。治るのに一週間はかかるし。
紅葉を始めると、ハゼは鮮やかな色をしているし、だいたい木そのものが水を上げなくなって休眠しだすので、あまり負けなくなります。その点では安心な時期です。
もう少したってすっかり葉が落ちたら、畑の邪魔なところに生えてきたハゼノキを切り倒さなくちゃ。冬に切ると樹液が飛ばないので大丈夫なのです。
昔から弓の素材となる木でした。
どういうわけか小さいころから「弓の名手」の話が大好きで。
西洋ならロビン・フッド。わが国なら源為朝。
ロビン・フッド伝説は中国の「水滸伝」や「西遊記」みたいなもので、いろいろ異本・外伝があるのですが、わたくしが一番好きなのは19世紀のロマン派作家ハワード・パイルがまとめたものを名翻訳家中野好夫が訳したものです。なにせロマン派作家なのでとてもロマンティック。特にロビンとマリアンの恋がため息が出るほど素敵。森の中に迷い込んだマリアンが、発情した雄ジカの角に引っ掛けられたとき、指一本の狂いもなく放たれるロビンの矢。チビのジョン、ウィル・スタトリー、タック坊主、赤服ウィル・・・・・・いずれ劣らぬ荒くれ男たちと殴りこむ王家主催の弓術大会。獅子王リチャードと優雅なる王妃エレノア。もう~すべてがかっこよかったなあ。
対して源為朝は院政末期の英雄。「保元物語」に出てきます。これを元に滝沢馬琴が「椿説弓張月」を書きました。
身の丈2mの偉丈夫で、あまりの乱暴ものなので13のときに父の為義に九州に流されます。そこでまた大暴れ。勝手に九州の土豪を従えて「鎮西八郎為朝」を名乗ります。「保元物語」の出番は少ないですが、たいへんたいへんかっこいいです。
実は為朝は南薩摩の阿多の土豪に見込まれて入り婿になっています。鹿児島ととても縁の深い人なのです。串木野にも彼を祀る神社があります。
900年の昔、英雄為朝がこの薩摩の地を駆け巡って大暴れしていた・・・・・・。そのことを思うとワクワクするのです。ほんの半世紀前は誰もが知っていた弓の英雄為朝は、今マイナーになってます。なんとか復活せんかなあ。
ハゼノキってやつがこれまた、植えた覚えも無いのにどこからでも生えてくる木なんです。
人並みにハゼ負けをするので、はっきり言って生えてきて欲しくない。でも畑のそこかしこからいつの間にか何本も生えてきてるし、しかも大きくなるのが早いのです。どこの誰とも知らぬ鳥さんが、どこぞとも知れぬ山の中のハゼの実を食べて、ご丁寧にもうちの畑でウンコをひってくれた結果でありましょう。なんともはやありがた迷惑なことでございますよ。
しかし、去年見た新聞で、菱刈町の鹿北精油(江戸時代からの伝統的な搾り方で搾った胡麻油で有名)が「ハゼノキ栽培農家の募集」をしてました。どうやら「ハゼノキ蝋燭」の復活を目論んでいるらしいです。ハゼの実からは木蝋が採れ、昔々はこれから和蝋燭を作っておったそうな。さらには化粧品のクリームのベースにも使われておったそうな。
こういうの、いかにも今の時代には求められていそうでしょ?
さすが独自の路線で伝統産業を守りアピールしている鹿北製油さん、目の付け所が違うなあ、と思いましたことです。
んで、「ハゼノキ栽培をする契約農家」は現れたのでしょうか?意外と県北のほうでやりたがる農家は多かったんじゃないかな?
夏の終わりにはっと気がつけば、去年ばらばらと蒔いておいた茶の実から芽がでているではありませんか!忘れた頃に出てくる茶の芽。
うはははは、たまりません。
自家製茶を作るのにもう少し茶の木を増やそうと思っているのです。「手摘みにするなら挿し木より実生のほうがいい。実生だと新芽の出る時期が木によってずれるので、細く長く新茶を楽しめるから。」と聞き、「な~るほど!」と膝を叩きました。まったくなんにでも、うまいやり方があるものです。なんにせよ茶の実はただ。蒔くのもただ。必要なのはときどきの草取りと5~6年の長いスパンで考える気の長さだけ。
昔はとにかく「早く、早く結果が欲しい」と思ってました。
それって結局焦った分だけ損。「急いては事を仕損じる。」バタバタしてちゃロクなものが手に入らない。
やっと今、それを心から納得しているところなのです。
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