「さみーよー、足が冷えるよー、鼻水が出るよー」などといっておる間に、あちこちで着々と春への準備が進んでおるわけです。
去年たくさん実をつけてくれた柚子、かぼす、レモンなんかの柑橘類も、そろそろ花芽の準備をしようという季節なわけ。
この時期に木を剪定しなければ、ひょーんと高さだけが高くて、あまり実をつけない木になってしまいます。なので結構思い切って、木のなかがわの枝をばっさり落としてしまいます。外の枝ほどいい実をつけるので大事に伸ばしますのです。
枝をすかすかに落とされた木は、見た目は寒そうだけれどこれは大事な作業なのですよ。今年の冬の実りのために、今から準備しとかなきゃ。
あとは油粕とヤギ糞でたっぷり寒肥をやっておきましょう。木にとってのごちそう。
18年前に亡くなった祖父が遺したものの中には、70年物のヒノキ山があります。うちから車で40分ぐらいの山の中です。水の澄んだ小川が流れていてキャンプを張りたくなるような場所です。
ほんとは間伐しなきゃならないのですが、まだまだ行き届いておりません。とりあえず下払いだけでもしなくちゃ・・・・・と、草刈機を積んで下払いに行きました。
鹿児島市は気象台観測始まって以来の8日連続の猛暑日。山は涼しかったよ。避暑だよ避暑(負け惜しみ)。でもこういうことがすごく楽しいのです。
あ、朝一番にちゃんと選挙には行きましたよ。どこに入れたかは内緒。でも「大規模農家しか農家に数えない」ような時代に逆行したバカタレ政治はごめんとだけ申し上げておきましょう。
テッポウムシはカミキリムシの幼虫でして、こやつがまあ悪さをするんであります。
木の幹が3cm以上になった柑橘類の幹に穴を開けて、勝手に住み着きやがった上に食い散らして木を枯らしてしまうんですわ。
「きんかーん、レモン、八朔ぅ――♪」などとかわいらしくも他愛の無い夢を抱いて買ってきた苗を2年、3年と育てて幹回りが3cm以上になり「そろそろ今年は庭先レモン♪」などと思っていた矢先に、いつの間にかしおしおと木が枯れてみなはれ!怒りを通り越して膝から力が抜けますぞよ。実際うちの30年物の金柑の木がこいつにやられて枯れちゃったし。
よって基本的には農薬を使わないのですが、この梅雨前の柑橘類の幹にだけは薬を塗りつけます。ガットサイドSという塗布タイプの薬です。これを幹回り3cm以上の場所に刷毛で塗りつけるのです。これだけで一年テッポウムシの心配をしなくて大丈夫。
ボンタンでもポンカンでも温州みかんでも、とにかく大きな柑橘類の木がある方はこれをお試しになってはいかがでしょうか?
父が植木屋だったので、その名残でうちの敷地内にはたくさんの植木の残骸があります。
残骸と言うのもかわいそうだけどさ、商品としての植木となるには、ちゃんと毎年移植して根を作って枝を刈り込まないとだめなんだよね。どんな商売もたいへんです。父が体を壊してからほったらかしなので伸びるに伸び放題でブッシュになってました。
あまりのことに見かねて飼いだしたのがヤギさんたち。ヤギさんたちはたいがいの木の新芽が大好きなので、どんどん藪が開けて畑が明るくなってきています。ありがたやありがたや。
特に金芽ツゲの葉は大好物らしく、実に熱心に金芽ツゲを食べてくれます。ほっとくと丸坊主にしてしまう。奄美とか十島村とかヤギを伝統的に飼う島で野良ヤギが増えて食害が問題になっているそうだけれど、この食欲だとさもありなん。鹿とかヤギとか羊とか草食動物の偶蹄目の連中はよく食べるよな。食べるもののキロ当たりのカロリーが少ないから量で稼いでいるんだろうけれど。畑作っていて野良ヤギや鹿に食べられたらかなわんよ。
金芽ツゲ、あれほど丸坊主にされながら新芽シーズンにはけなげに新芽を出してくれてます。名前の通り黄金に輝く新芽です。ちゃんと刈り込んだらすごくきれいな生垣にんるんだけどな。
好きな木なんだよ。
去年の秋の木市で買ってきたのですが、売り子のお姉さんの話では今年もう実がなるそうなので楽しみなことこの上なし。
鹿児島ではイチジクをあまり見ないし、食べる習慣もあまりないけれど、イチジクのジャムとかタルトとかおいしいですよね~~。もう、今年なってくれるのが楽しみで楽しみで。
そういえば、エデンの園でアダムとイブが禁断の木の実を食べて「エロスと恥じらい〈ウワオ!)」を人類史上初めて覚えたときに、局所を隠すのにイチジクの葉を使ったと言う説がありますね。
これがイチジクってのが地域性だなあ、と。
「大きくて局所を隠すのにちょうどいい葉」ならば、別にカシワでもヤツデでもいいわけですよ。サトイモの葉とか大きくていいぞお。なのに敢えてイチジク。つくづくエデンの園ってのは日本にあると想定されてないんだなあ。イチジクがそこらにふんだんに生えていてよく使う地域の発想だと思います。
もっとも、わが古事記には「エロスが罪」という発想はないので(ブラボー!!)八百万の神々にそんな局所隠しなど必要ありますまい。アメノウズメノミコト様は天岩戸の前でモロダシのストリップ。イチジクの葉など必要としておりません。すばらしい。
お菓子を作るためにいろいろな果樹をせっせと植えておるわけですが、アンズは特に早くなって欲しい果物です。
アンズ=アプリコットはお菓子にはたいへんよく使います。アプリコットタルトなど実をそのまま使うものもありますが、特にアプリコットピュレが欲しいなあ、と。
アプリコットピュレをタルトやパウンドケーキの表面にコーティングすると、オレンジ色にツヤツヤとしてたいへんおいしそうになるんだよな。
アンズはほとんど市販されていないし、ピュレの替わりにアプリコットジャムを使うにしてもこれがまた普通のジャムに比べて割高。
だから、自分ちにアンズの木があってじゃんじゃか実がなる、という状況にたいへん憧れております。
今年はもうそろそろ実をつけないかな。気がかりなのはやはりバラ科のアンズを去年ヤギが襲っていることです。連中、ほんとバラ科が好きだなあ。
最近のコメント