椿屋敷のお客様

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2005年12月

2005年12月 6日 (火)

モモ、種をばらまく

Nec_0008_8おととい、昨日と悪天候で、あまり運動できなかったせいか、今朝のモモは畑と山の中を走りに走ってました。

ご丁寧に白い毛皮のありとあらゆるところにイノコヅチの実をくっつけて帰ってきましたよ。「あんたのチャームポイントは1にも2にも白いところなんだから、もうちょっと気を使えば?」とも思うのですが。(まあ、ひとの美容にケチをつけられるガラじゃないな)。だいたいイノコヅチみたいな生えるとややこしい草の種を、そんなにご親切にばらまいてあげなくてもいいのに。Nec_0009_5

イノコヅチとかヌスビトハギとかオナモミとかウマノアシガタとか、秋の草の種にはしつこくひっつく種類があります。うっとおしいけれど種をばらまく側にしてみればたいへん優れた戦術ですね。

2005年12月 5日 (月)

仮親募集中

Nec_0006_3 おかげさまで、わが地鶏くんの4羽の奥様方は毎日4個の卵を律儀にお産みあそばしてくださいます。

これがねえ、美味しいんですよ!!

黄身も白身も信じられないぐらい濃く、かき混ぜてもしばらく混ざらないぐらいです。味にもコクがあってクリ-ミー。変なものは全く食べさせてないし、地面の上で育てているから新鮮な草やミミズや地虫なんかのたんぱく質も摂ってるし、菜っ葉類の間引いたのを食べさせて、貝殻の砕いたのも食べさせて、しかもオール有精卵ときた。これでおいしくなかったら嘘ですわ。

というところで、やはり欲がでてきましてもう少し量産を考えているのですが、これが難しい・・・。うちの奥様方は孵卵器育ちなので、なかなか「卵を抱く」という行為に考えが及ばないのです。やはり鶏さんも「卵のときから鶏の親がちゃんと抱いて孵して育てたコ」が卵を抱きやすいのですって。うわあああ、何か考えさせられるお話ですね。

だからといって手がないわけでなく、一番手っ取り早いのは卵を抱きやすい(繁殖力のある)チャボさんに仮親になってもらって、雛を孵すという手です。一度抱いてもらって孵った雛は、すぐ「卵を抱く」という行為をするそうです。もちろんチャボさんの卵も小ぶりだけどおいしいので、今チャボのつがいを大募集中なのです。多分どこかで飼っているはずなので、ありとあらゆるコネクションにあたっています。

初雪

Nec_0004_4 うわあああ!もう初雪ですか!!

Nec_0003_5 「鹿児島市のチベット」ですので、たとえ下界に雪のかけらもなくてもうち近辺にだけ積雪があったりします。うちの木戸の前の坂だけが凍結していて、車を出すのに四苦八苦したというのに、100mもいけば普通にただ濡れているだけの道路になったりして、「ありゃりゃりゃりゃ・・・・・。」

夏は涼しくていいんですけどね――。「夏涼しければ、冬寒い。」まあ、順当なことでしょう。

2005年12月 4日 (日)

南天の実2

Nec_0001_5 南天の実が赤く色づきました。

お正月の飾りつけには欠かせませんね。「難を転ずる」といい、魔除け・厄除け・疫病除けとしてよく玄関先などに植えられています。うちも玄関のすぐ脇に株を植えています。季節季節で白い花をつけたり、実が青から赤に熟したり、新芽も赤かったり、変化があって飽きない木です。

実際、ごく少量のチアン水素を含み、南天の葉をお赤飯や魚の飾りにすると、腐敗を避け毒素が発生することを防ぎます。赤い実に規則正しく枝分かれする葉はデザイン的にも綺麗だし、おせち料理によくあしらってます。実を今時分に採って干し、咳止めにするそうです。冬の風邪に備えて干しとこうかな。

白骨の森

Nec_0046_2去年の今頃、Mさんが亡くなりました。96歳の明治男で、おだやかで少しスケベで、ごくごく普通のご隠居でしたが、そのお話は強烈でした。

「シベリア抑留」されてた方だったのです。

朝鮮で事務員をやってらして、召集令状。満州で陸軍上等兵。終戦時にソ連軍の捕虜。そのままシベリアへ部隊ごと送られました。

シベリアの炭鉱労働や鉄道敷設。凍土のど真ん中のニシン蔵(掘っ立て小屋)に芋洗いのように押し込められ、もちろん暖房などなく、ぼろぼろになった兵隊服だけ。零下20℃の寒さの中、互いの体温だけが頼り。栄養は劣悪で、芋のかけらが入ったスープが日に二椀だけ。飢えに耐え兼ねてMさんらは、凍土に生えているアカザなどを採って味も何もなく煮て食べたそうです。「そげな雑草が食えるか!」と口にしなかった人間からどんどん死んでいく。それも魚河岸のマグロのように並んで横たわる夜のうちに、隣に寝ていた同僚が息をひきっとって朝にはカチンコチンになっているありさま。それこそ毎日毎日どんどん死んでいくし、自分達にもかけらの体力も無いので埋葬などできるはずもなく、大八車に死体を積み重ねて雪の森の中にほおってくる。野犬がその死体を食べて、ばらばらに解体してしまうので、春になって雪が溶けても、死体のあった場所はもうわからない。ただ、てんてんと人間のあらゆる部分の白骨が森の中に散らばっているだけ・・・・・

このお話を、穏やかで上品な鹿児島弁で、激するでもなく淡々と語られるんですよ。その穏やかさと、お話される内容のギャップがいまだにうまく消化できず、強烈な印象が残っています。Mさんは部隊の9割が亡くなった過酷な捕虜生活を生き延び、舞鶴に帰還しました。「日本を見るまでは死ねん!」が合言葉だったそうですが、舞鶴港についたとたん気が緩んで亡くなる仲間も多かったそうです。フィクションではない生の言葉。迫力。「やはり古老の言葉に耳を傾けねばならん!」つくづくそう思いましたですよ。

2005年12月 3日 (土)

MOONLIGHT MILE 11巻

Nec_0047_5大好きな「MOONLIGHT MILE」(太田垣康男著・小学館)の11巻が出ました。わああい♪もっと売れてもいいマンガだと思うんだけどなあ・・・。いまいち売れ行き地味な印象なのが不思議。

主人公の「日本人で初めて月まで行って最初の月基地を建設した根っからのクライマー」吾郎。その恋人、理代子。月での国際会議中に吾郎の子を妊娠していることが発覚。月基地をアメリカ軍の占領下に置いている吾郎の元親友のロストマン司令は、「日本の国益を図る」ことを交換条件に理代子に中絶をせまる。「人類初の月ベビー」が誕生しちゃったら、月を軍事基地にしてるアメリカを世論が許さないことは必至だから。ロストマンの部下「月の女王ファトマ」は迷う理代子を強引に拉致して、意識の無いうちに中絶しようと画策するが、吾郎の親友でたまたま月基地に勤務中だったクリス、耕介、マギーが米軍の網を潜り抜けて理代子を救出。そして胸のすく大逆転!

この巻でのヒーローというかヒロインはやはりマギーでしょう。日系3世で28歳なのに20歳とサバをよんで「月基地レポーター」のポジションを手に入れた、筋金入りのジャーナリスト。童顔で小柄なのに宇宙で過酷な作業をするBS(ビルディング・スペシャリスト)の試験に合格するほどの体力とメンタリティを持ったタフな女。ものすごく頭の回転が速くて機転が利く女なのです。それでいながら情もある。「理代子とベビー救出作戦」でも、月基地で絶大な権力を持つ女王ファトマの裏をかく大仕掛けをしかけてくれたのは彼女でした。ビッグコミックスペリオール連載で、この回を立ち読みしたときは思わずコンビニで快哉を叫んだもんなぁ。太田垣氏はストーリー展開のうまい人だけれど、この月ベビーの章は本当にいい。

理代子は結局月で子供を出産することに。今のところ米軍に人質にとられたも同然だけれど、そこはど根性の吾郎。アメリカの手を全く借りずに月へ行って理代子とベビーに会う算段を始めるところで11巻は終わってる。(最後のページにロストマンもちらり。)国産H-ⅡAロケットの復活か?実はスペリオール誌上ではたいへんなことになっていて「ホントに月に行けるの吾郎?!!」という状態なのです。でも信じてるよ太田垣さん。きっと胸のすく希望あふれる結論をもってきてくれるよね。

椿「曙」

Nec_0036_1 椿「曙」(あけぼの)が咲きました。

またまた相撲取りみたいな名前ですが、「曙」の名前どおり、夜明け前の空の微妙で絶妙な淡いピンクのかわいらしい花です。

椿の品種改良がもっとも盛んで熱心だったのが江戸時代、相撲の様式が確立したのも江戸時代、名づけのセンスに共通するものがあるのもむべなるかな、であります。閉塞された日本列島という空間の中で、狭いけれど深く深く耕すような独自の文化を発展させた、特殊な時代。「その時代にもどりましょう」というのは全くのナンセンスですが、「全部切り捨ててしまいましょう」というのもナンセンスです。

お相撲がなくなるのは嫌ですが、えんえんと「兄弟確執、お家騒動」を見せられるのはごめんです。だから憎憎しいぐらいに強い悪党面をした、草原で裸馬に乗ってた横綱(でも、引退する行司に花束と金一封をそっと渡す男気ある横綱)や、長身でハンサム、ヨーグルトの国の(親孝行)大関みたいな、外国人力士さんが増えていくのはすごくいいことだと思います。でも、相撲を英語化したりしちゃだめ。あくまで独自の路線を貫いて、まわしと髷もあのままで。

と、相撲取りの曙も大きかったですが椿の「曙」も大輪です。一重の椀咲き、筒しべ、蕾はピンクのまんまるです。葉は楕円の中形、肉厚。樹形は立性で強いです。江戸時代の京都は伏見・桃山あたりが出生源?ここらに古木が散在するそうです。

2005年12月 2日 (金)

モモ、雷様におびえる・3

Nec_0044_1 薩摩地方は今日一日冷たい雨が降り続きました。

人間の耳には聞こえませんが、どうもどこぞで遠雷がなっているらしいです。というのも、モモ(紀州犬雑種・女の子・4歳)がたびたびおびえて家の中へ中へ駆け込んでくるからです。晴れの日に足音もかろく駆け抜けてめーさん(ザーネン種ヤギ・女の子・9ヶ月)を追う雄姿が嘘のようです。

モモは高いほうも低いほうも人間の耳よりはるかに広い領域の音を聞き取ることができる耳をもっているはずです。その耳をもってしてうちの番犬兼地鶏ご一家の守番の役目も果たしてくれているのですが、時にその優れた耳が仇となります。雷だめ、花火だめ(打ち上げ花火だけでなく、それこそ線香花火でも嫌みたいです)、掃除機だめ、草刈機だめ・・・何かが「良すぎる」ことは反面どこかでリスクを背負うことなのですね。雷がなるたびに恐れおののくモモを見て、今ひとつ危機感をもてない我が身を省み「野生動物だったらこの鈍感さでは生きていけんだろうけどなぁ。人間社会じゃこれぐらい鈍じゃないと神経衰弱になっちまわぁ。」などと開き直るのでありました。

密林開拓

Nec_0039_3畑の北西奥のジャングルになっている所に、茶の木が4~5本生えています。多分20年ぐらい茶の葉を摘むことなくほったらかしにされていた木は、実が落ちて自然に生えてきた木が何本も重なって株になり、すごく大きな茶藪になっているのです。「これはひょっとしてすごくありがたいことだわ!」うまく手入れすれば、この茶藪からかなりの量の茶葉が採れるでしょう。

自家製茶の野心に燃えているので、この木々から来年の茶摘シーズンには葉を手摘みするべく、手入れに励んでいます。

藪を払って伸び放題の茶の木を切り詰めて、夏の間に絡みに絡んでいたへクソカズラやノブドウやビナンカズラ、スイカズラなどのカズラ類を取り払う作業に必死。まっこちげんね(恥ずかしい)ことです。木の隙間から垣間見えるお隣の畑の整然として美しいこと!お隣にはご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。ぼちぼちですががんばって必ず美しい畑にします。

茶の木はいっぺんに全部切り詰めると来年の新芽が出る小枝もでなくなるので、半分は軽く剪定する程度にとどめています。南側を深く切り詰め、北側を残す、これで枝の間に陽の光も入り、成長も良くなるはず。で、来年は北側も丸く刈り込み、美しくこんもり丸い茶の木にしてやりましょう。

長い時間かかる仕事ですが、どうしても自分ちのお茶を飲みたいのです。とりあえず来年はお試し製茶だ!

2005年12月 1日 (木)

万両の実

Nec_0042_4 思いもかけないところに万両が生えていて実がなっていたので、なにか気持ち縁起よくうれしくなってきました。

もう師走、お正月が間近です。万両、南天、葉牡丹、若松、青竹、梅、・・・。めでたさを演出するための植物の数々。3年ぐらい前から、「やはり門松を己の手で作らねばならん。福神サアと屋敷神サアを呼び入れるのじゃ!」と思いたち、12月31日の日が暮れるまでになんとかかんとか大掃除をしたあと、なんとかかんとか門松を作っています。9月1日が過ぎても宿題が終わってなかったのになあ。これに関しては年が明けたら値打ちがなくなるので必死です。大人ってこういうこと?違う?

庭と畑があるということはありがたいことで、そういう材料もほとんど自宅調達できるので、あとは己が勤勉かどうかだけ。試される行事です。その日にあわてないように、「竹OK、葉牡丹OK,・・・」と今から確認中です。しかしここに万両があったとはなあ―。(南側、山茶花大錦の根方)ありがたいよな―。